『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  98

2011-06-09 06:55:51 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アンテウスがオロンテスに報告に来た、アンテウスは、オロンテスを棟梁と呼んだ。
 『棟梁、あと小半刻で隊の編成が完了します。ところで運搬する用材の集積場所の指示がほしいのですが』
 『よしっ、判った。アミクス、リナウス、アバスの三人を連れて現場を見に行こう』
 オロンテスは、パリヌルス、オキテスと話し合い、砦の浜に縄張りをした作業場と舟艇の組み立て場の視認に浜へと向かった。
 『ギアスはまだか。まあ~、いいか』 と話しながら歩を運んだ。歩きながら縄張りの浜を見た。そこに二つの人影があった。
 ギアスがイリオネスに縄張りのことを説明しているらしい。オキテスが声をかけた。
 『パリヌルス、縄張りのところを見ろ。ギアスがいる、イリオネスが一緒だ』
 縄張りを視認に来た一同が、砂浜に念を入れて敷設された縄張りに目を見張った。それから、縄張りの説明を聞いているイリオネスに朝の挨拶をした。
 『おう、皆、おはよう。オロンテス、今日も用材伐りだしの森へ出向くのか。昨日。けが人が出たことは聞いている。伐りだしの作業は、はなはだ危険が多い充分に注意をしてほしい』
 『判りました』 と言って、パリヌルスに目を移した。
 『う~ん、なかなかいい具合です。アンテウスにアミクス、どうだ?』
 『まあ~、いいですね。しかし、舟艇の部材切り出し加工の作業場のことですが、舟艇の組み立て場が三箇所あります。組み立て場ひとつに部材の切り出し加工場がひとつほしいですね』
 アンテウスがやや遠慮がちにオロンテスに答えた。