五番船、六番船は、浜より1スタジオン(約200メートル)ぐらい沖に停船した。他の軍船にあっては4分の1スタジオン(50メートル)ぐらいの地点に船を停めた。船首をそろえて指呼の間隔で横一線に並んでいた。
『おうっ、アミクス、水深を測ろう。重石をつけたヒモがあっただろう、それを沈めてみろ』
『はいっ!』
アミクスは返事を返して作業に取り掛かった。
この浜は遠浅の浜ではなさそうである。重石は思ったより深く沈んで止まった。アミクスはヒモに目印をつけて引き揚げた。両の腕を広げて寸法の見当をつけた。四尋(ひろ)である。約7メートル余りと思われた。
『船長、深さはこれだけあります』
『う~む、これは思ったより深い。櫂座の者たちに指示をしろ。ゆっくり漕いでくれるように言ってくれ。俺の合図で停まるのだ、いいな』
『判りました』
船はそろりそろりと浜に近づいてゆく、オキテスは緊張の面持ちで注意深く船の進む先を見ていた。
宵の藍色は濃くなってきている。彼は水深を気づかって、進み行く船体を触覚化していた。
この時代、100人くらい乗船させる軍船の喫水は約1メートルぐらいである。船上には100人近い人数がいる。各船の船上の者たちは二番船の動きに注目していた。彼らは二番船からの合図を静かに待っていた。
『おうっ、アミクス、水深を測ろう。重石をつけたヒモがあっただろう、それを沈めてみろ』
『はいっ!』
アミクスは返事を返して作業に取り掛かった。
この浜は遠浅の浜ではなさそうである。重石は思ったより深く沈んで止まった。アミクスはヒモに目印をつけて引き揚げた。両の腕を広げて寸法の見当をつけた。四尋(ひろ)である。約7メートル余りと思われた。
『船長、深さはこれだけあります』
『う~む、これは思ったより深い。櫂座の者たちに指示をしろ。ゆっくり漕いでくれるように言ってくれ。俺の合図で停まるのだ、いいな』
『判りました』
船はそろりそろりと浜に近づいてゆく、オキテスは緊張の面持ちで注意深く船の進む先を見ていた。
宵の藍色は濃くなってきている。彼は水深を気づかって、進み行く船体を触覚化していた。
この時代、100人くらい乗船させる軍船の喫水は約1メートルぐらいである。船上には100人近い人数がいる。各船の船上の者たちは二番船の動きに注目していた。彼らは二番船からの合図を静かに待っていた。
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