パリヌルスたちは、船長たちを集め、イリオネス軍団長を囲んで、明日のミコノス島へ向けての航海について話し合っていた。オキテスが口を開いた。
『明日からの航海は、エーゲ海のど真ん中を南下する。このレムノスの浜から、真っ直ぐ南を目指して進む。ミコノスまでは島がない、といっても途中には小さな島を左手遠くに見るだけだ。大洋のど真ん中を進むのだ。俺が一番に気にかけているのは天候のことだ。まず、海が荒れてくれないことだ、と言っても大洋を進むうえでほしいのは北よりの順風だ。これがないと手漕ぎで広い大洋を進まなければならない。また、向かい風、これも厄介だ、力いっぱい船を漕いでも漕いでも船を押し戻そうとする風だ。相手は自然だ、力で抗することのできない相手だ、祈るよりほかに手はない。俺は力いっぱい悩みに悩んでいる。皆も力いっぱい祈ってくれ。俺たちが行くのに順風の吹いてくれることをだ。頼むぞ』
続いてパリヌルスが言った。
『諸君、今日は大変にご苦労であった。レムノスのこの湾の浜に無事に着けたことがとてもうれしい、この上なく喜んでいる。それはオキテスの采配の賜物である。一同、オキテスに拍手をおくってくれ』
拍手が起きた。
オキテスは、『いや、いや』と照れた。
『明日からの航海は、エーゲ海のど真ん中を南下する。このレムノスの浜から、真っ直ぐ南を目指して進む。ミコノスまでは島がない、といっても途中には小さな島を左手遠くに見るだけだ。大洋のど真ん中を進むのだ。俺が一番に気にかけているのは天候のことだ。まず、海が荒れてくれないことだ、と言っても大洋を進むうえでほしいのは北よりの順風だ。これがないと手漕ぎで広い大洋を進まなければならない。また、向かい風、これも厄介だ、力いっぱい船を漕いでも漕いでも船を押し戻そうとする風だ。相手は自然だ、力で抗することのできない相手だ、祈るよりほかに手はない。俺は力いっぱい悩みに悩んでいる。皆も力いっぱい祈ってくれ。俺たちが行くのに順風の吹いてくれることをだ。頼むぞ』
続いてパリヌルスが言った。
『諸君、今日は大変にご苦労であった。レムノスのこの湾の浜に無事に着けたことがとてもうれしい、この上なく喜んでいる。それはオキテスの采配の賜物である。一同、オキテスに拍手をおくってくれ』
拍手が起きた。
オキテスは、『いや、いや』と照れた。
