彼らはオキテスの叱咤に答えた。
緊急の信号は送り終えた。オキテスから矢継ぎばやの指示が来た。
『アミクス、続けて信号を送るのだ。『嵐が来る。漕いで島を目指せ。荒れに注意せよ。船列を問わない』だ、判ったか』
『判りました』
アミクスはゆれる船上から、三番船に向けて信号を送った。
船団は船列を解いて漕走した。曳航していた舟艇も切り離して単独で島を目指した。
船団の誰しも海をなめてはいなかった。彼らは充分に海の怖さを知っていた。
危機に対処し始めてから半刻が過ぎていた。風は強さを増してきている、船上の700人が自然に闘いを挑んでいる姿がそこにあった。
風浪が大きくなってきている。船は波をかぶる一歩手前の状態で波を割っている。彼らは必死で闘っていた。
目指す島の入り江が視野の中に入ってきた。彼らは望みを抱いた。
海は荒れている、彼らは挫けてはいない。この修羅の中に自然が彼らに手を貸す事態が起きた。風向きが変わった。北西からの風に変わった。船団を島へ追いやるように吹きつけた。
この荒れの中、三番船の副長リナウスが二番船のアミクスが送ってくる指示信号を読み取った。
緊急の信号は送り終えた。オキテスから矢継ぎばやの指示が来た。
『アミクス、続けて信号を送るのだ。『嵐が来る。漕いで島を目指せ。荒れに注意せよ。船列を問わない』だ、判ったか』
『判りました』
アミクスはゆれる船上から、三番船に向けて信号を送った。
船団は船列を解いて漕走した。曳航していた舟艇も切り離して単独で島を目指した。
船団の誰しも海をなめてはいなかった。彼らは充分に海の怖さを知っていた。
危機に対処し始めてから半刻が過ぎていた。風は強さを増してきている、船上の700人が自然に闘いを挑んでいる姿がそこにあった。
風浪が大きくなってきている。船は波をかぶる一歩手前の状態で波を割っている。彼らは必死で闘っていた。
目指す島の入り江が視野の中に入ってきた。彼らは望みを抱いた。
海は荒れている、彼らは挫けてはいない。この修羅の中に自然が彼らに手を貸す事態が起きた。風向きが変わった。北西からの風に変わった。船団を島へ追いやるように吹きつけた。
この荒れの中、三番船の副長リナウスが二番船のアミクスが送ってくる指示信号を読み取った。
