統領、軍団長たちが姿を見せた。オキテスが彼らを向かえる。ユールスはアカテスに手を引かれていた。彼らはオキテスに声をかけた。
『おっ、オキテス、おはよう。準備が整いつつあるな』
『おはようございます。乗船はもう少々お待ちください。船が海に浮かぶまでですが。あの嵐のときが満潮のときだったらしいのです』
『判ってる。いい風が吹いているな。少々力不足かな』
『いえ、この風の力なら漕ぎかた次第で予定の船速が出ます』
そこへパリヌルスが数枚の木板を持って姿を見せた。
アミクスが六番船が海に浮かんだことをオキテスに報告しに来た。
『よしっ、判った。舟艇のギアス艇長にここへ来るように伝えてくれ。そして、全員を乗船させるのだ、判ったな。統領たちは俺が船にお連れする。急げ!』
パリヌルスがオキテスとギアスに持ってきた木板を手渡して、概略を話した。星明りの浜辺では木板の図面が読み取りにくかった。
『この木板にはミコノス近辺の島の所在と明後日以降の船団の集結地点が記してある。明るくなったら確かめてくれ。そこに記したX印の地点までは、この時節の陽の出から昼頃までの航走時間で到達する。判るな。例で言えば、エノスからイムロス島までくらいの距離だ。また、通過するナクソス島とパロス島の間の狭いところは、真ん中を注意深く通り抜けるのだ。集結地点はパロス島の南端の浜だ。判ってくれたな』
『パリヌルス、ここまでしてくれて有難う。もう頃合だ出航する』
オキテスは言って、統領たちを舟艇に乗せて、六番船に乗り込んだ。
『おっ、オキテス、おはよう。準備が整いつつあるな』
『おはようございます。乗船はもう少々お待ちください。船が海に浮かぶまでですが。あの嵐のときが満潮のときだったらしいのです』
『判ってる。いい風が吹いているな。少々力不足かな』
『いえ、この風の力なら漕ぎかた次第で予定の船速が出ます』
そこへパリヌルスが数枚の木板を持って姿を見せた。
アミクスが六番船が海に浮かんだことをオキテスに報告しに来た。
『よしっ、判った。舟艇のギアス艇長にここへ来るように伝えてくれ。そして、全員を乗船させるのだ、判ったな。統領たちは俺が船にお連れする。急げ!』
パリヌルスがオキテスとギアスに持ってきた木板を手渡して、概略を話した。星明りの浜辺では木板の図面が読み取りにくかった。
『この木板にはミコノス近辺の島の所在と明後日以降の船団の集結地点が記してある。明るくなったら確かめてくれ。そこに記したX印の地点までは、この時節の陽の出から昼頃までの航走時間で到達する。判るな。例で言えば、エノスからイムロス島までくらいの距離だ。また、通過するナクソス島とパロス島の間の狭いところは、真ん中を注意深く通り抜けるのだ。集結地点はパロス島の南端の浜だ。判ってくれたな』
『パリヌルス、ここまでしてくれて有難う。もう頃合だ出航する』
オキテスは言って、統領たちを舟艇に乗せて、六番船に乗り込んだ。