パリヌルスは、航走に注意を払いながら、小島からミコノス島に向けての航海をふりかえっていた。
『風の具合で少々おくれたようだ。この分でいけば、全船、何事もなく停泊地に着きそうだ。カイクス、お前どのように考えている?』
彼は横にいるカイクスに声をかけた。
『この調子で行けば、無事、停泊地に着けるのではと考えています。今、この宵の暗さでは、前を行く統領の船の姿見えなくなっています。船長、信号を送って、何か確かめたい用件がおありなのではないかと考えています』
パリヌルス船長に尋ねた。
『おうっ、そうだな。ミコノス南端の浜もすぐそこだ。よしっ、信号を送れ』
カイクスは舳先に立って、前方に向かって松明信号を六番船に向けて送った。少々間をおいて六番船から返信を受けた。
『交信OK!』信号である。カイクスはためらわず信号を送った。
『当方、無事。変事なきや。当方、停泊地に向かう』
返報が届く。
『当方も無事。程なく、停泊地に着く。本日の交信、これを持って終わる』
安心度の高い返報であった。カイクスはこの旨をパリヌルスに報告した。
パリヌルスの船団は、進路を北に向け停泊予定の浜に向かった。
『風の具合で少々おくれたようだ。この分でいけば、全船、何事もなく停泊地に着きそうだ。カイクス、お前どのように考えている?』
彼は横にいるカイクスに声をかけた。
『この調子で行けば、無事、停泊地に着けるのではと考えています。今、この宵の暗さでは、前を行く統領の船の姿見えなくなっています。船長、信号を送って、何か確かめたい用件がおありなのではないかと考えています』
パリヌルス船長に尋ねた。
『おうっ、そうだな。ミコノス南端の浜もすぐそこだ。よしっ、信号を送れ』
カイクスは舳先に立って、前方に向かって松明信号を六番船に向けて送った。少々間をおいて六番船から返信を受けた。
『交信OK!』信号である。カイクスはためらわず信号を送った。
『当方、無事。変事なきや。当方、停泊地に向かう』
返報が届く。
『当方も無事。程なく、停泊地に着く。本日の交信、これを持って終わる』
安心度の高い返報であった。カイクスはこの旨をパリヌルスに報告した。
パリヌルスの船団は、進路を北に向け停泊予定の浜に向かった。