デロス島の停泊地に向かっているオキテスの船団は、宵闇の暗さの増した海岸線の近くまでに来た。近いところまで来たとはいえ夜目ですかし見る海岸は砂浜ではないらしい。星明りで見る浜には、建物も見当たらない、草木も見当たらない、海岸には距離を持って停船した。星は耀いているが月がない、とにかく暗かった。
『おいっ、アミクス、これは大変なところだ。船を岸に着けようと思うが、皆目、状況が判らん。俺もパリヌルスから聞いてはいたが、闇をすかして見るかぎりでは砂浜ではないらしい。岩だらけに見える。これは危ない、危険極まりない。下手に岸につけられない。3~4人に言いつけて松明を準備してくれ。そして、舟艇を呼ぶのだ。俺は下へいって来る』
『はい、判りました』
オキテスは、統領たちに事情を説明するために船倉に下りていった。
『軍団長、ここは私どもが、日頃、船を着けている浜とは状況が大変に違うようです。この暗さです、詳しい海岸の状況を見て取ることがとても無理です。私が舟艇で見てきます。このままちょっと休んでいてください』
オキテスは言い残して、呼び寄せた舟艇に乗って海岸を目指した。彼はアミクスに言いつけて十数本の松明を積ませておいた。
『ギアス、どうだ。松明の灯をもっと増やせ。6~7本にしろ。そして誰かに海の深さを測らせろ』
『判りました』
舟艇は松明の灯りを頼りに海岸に近づいていった。
『おいっ、アミクス、これは大変なところだ。船を岸に着けようと思うが、皆目、状況が判らん。俺もパリヌルスから聞いてはいたが、闇をすかして見るかぎりでは砂浜ではないらしい。岩だらけに見える。これは危ない、危険極まりない。下手に岸につけられない。3~4人に言いつけて松明を準備してくれ。そして、舟艇を呼ぶのだ。俺は下へいって来る』
『はい、判りました』
オキテスは、統領たちに事情を説明するために船倉に下りていった。
『軍団長、ここは私どもが、日頃、船を着けている浜とは状況が大変に違うようです。この暗さです、詳しい海岸の状況を見て取ることがとても無理です。私が舟艇で見てきます。このままちょっと休んでいてください』
オキテスは言い残して、呼び寄せた舟艇に乗って海岸を目指した。彼はアミクスに言いつけて十数本の松明を積ませておいた。
『ギアス、どうだ。松明の灯をもっと増やせ。6~7本にしろ。そして誰かに海の深さを測らせろ』
『判りました』
舟艇は松明の灯りを頼りに海岸に近づいていった。
