『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY            第5章  クレタ島  81

2012-06-26 06:03:44 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オロンテスの向かったミコノス島の西岸の浜は、海岸線が南北に長くゆるやかに湾曲した浜である。現在のミコノス市街区一帯の浜である。
 ミコノス島のこのあたりは、デロス島のアポロンの神殿のこともあり古代よりにぎわっていたらしい。アポロンと他の神殿はデロス島の北西部にあり、ミコノスの港から観光船で30分くらいで行ける。このデロス島の神殿のある地域は、古代の頃、宗教的、芸術的、商業的にも大変なにぎわいで栄えたところらしい。古くから人の集うところとして機能していた。デロスには大勢の人間が住み、その居住人口が2万数千人といわれていた。現在は一般人の居住が禁止され無人化されている。なお、デロス島は岩山の島であり、島の東西は1キロ余り、南北に3キロくらい、広さが3.6平方キロメートルである。農耕は不可であり、農産物の全てをミコノスからの供給に頼っていた。ミコノスはそのようなところを控えたところとして栄えていたらしい。
 
 オロンテスの一行は無事に予定地に着いた。彼らは、交易にたずさわっている者らしい風采をして浜に降り立った。日は暮れていたが浜はざわついていた。
 オロンテスは四番船の船長及び副長と4人で簡単に打ち合わせをした。
 『君たち今日は大変ご苦労であった。予定の停泊地に無事到着した。ところで夕食のことだが船上でとってくれ。宿営は船上でしてほしい。次は、警備のことだ。一船当たり4人くらいで交替制で夜警に当たってくれ。それから注意事項だ。いつ、どこで他人に話しかけられるか判らん。その時の返す言葉だ。この地が始めてであること、どこからの問いかけには、ミレトスから来たと答えろ。このことは全員に伝えてくれ。判ったな、以上だ。打ち合わせを終わる。警備のことよろしく頼む』
 彼らは打ち合わせを終えて船に戻った。

 *訂正いたします。
 これまで、デユロス島、デユロス と書いてきましたが、デロス島、デロス が正しい発音に近いので今日からデロスと書くようにしました。何卒よろしくお願いいたします。