『諸君!日夜ご苦労。君らも知っている通り、新艇は、完成一歩手前のところまで来ている。ところでだ、今、『海の民』と呼ばれる不逞の輩が島の各地を荒らしている。今のところ半分は風聞といったところだが。我々も、この不逞の輩に対して対応策を講じることになった。君らの出番だ、判るな!番船隊を編成し、野営して守備の任につくことになった。今夜は、二番船の君らがその任に当たる。ここにリナウス隊長が選んだ君たちが小隊長となって、その任務を遂行してもらう。判ったな』
草地に腰をおろしている一同を睥睨して、パリヌルスが令を下した。
『まず、最初に言っておく、敵が襲撃して来たら、ひとり残さず、奴らの命を絶つこと、しかと厳命する。生かして帰さない、いいな!味方については、一命をも失ってはならない。敵は多くて70~80人少なければ20人くらいと予想している。敵と刃を交える時は、敵一人に対して二人でこれに当たるようにして敵の命を奪う。いいな!』と言って、一同と目を合わせた。
『ところで次だ。我々としては、敵の襲撃は夜であろうと予想している。夜間の交戦である。暗闇の中での戦闘である。予想戦場ではかがり火を燃やして明るくしているとはいうものの敵味方の判別がつきにくい、同士討ちを決定的に避けることが命題なのだ。ここへ来る途中に考えたのだが、両手首に白い布を巻いてはと考えたのだが、いまひとつ決定的な良策とはいいがたい。白い布をタスキにして身に着けてはとの案もある。君らはどちらがいいと考えるか?』
パリヌルスは一同に質問をする、答えが返ってくる。
『パリヌルス隊長、その二案では白タスキを身に着ける。それがいいと思いますが』
『そうか、判った。白タスキを身に着けることにする。白い布については、あとから持ってくるか、野営地に届けるかする。では事の運びの段取りを伝える。夕めしを終えたら、少し休んで、全員、武装して新艇建造の浜へ来てくれ、野営地に案内する。諸君、任務を遂行すること!以上だ』
一同が大声で『おうっ!』と答えを返す。
パリヌルスは、指示を終えて建造の場へ帰ってきた。建造の場の浜では、かがり火として燃やす用材のきれっぱしが山と積まれている、ドックスが叱咤指揮して作業を進めている。
パリヌルスはオキテスに声をかけた。
『おう、オキテス、五番船の方、うまくいったか?』
『おう、うまくいった。お前のほうは?』
草地に腰をおろしている一同を睥睨して、パリヌルスが令を下した。
『まず、最初に言っておく、敵が襲撃して来たら、ひとり残さず、奴らの命を絶つこと、しかと厳命する。生かして帰さない、いいな!味方については、一命をも失ってはならない。敵は多くて70~80人少なければ20人くらいと予想している。敵と刃を交える時は、敵一人に対して二人でこれに当たるようにして敵の命を奪う。いいな!』と言って、一同と目を合わせた。
『ところで次だ。我々としては、敵の襲撃は夜であろうと予想している。夜間の交戦である。暗闇の中での戦闘である。予想戦場ではかがり火を燃やして明るくしているとはいうものの敵味方の判別がつきにくい、同士討ちを決定的に避けることが命題なのだ。ここへ来る途中に考えたのだが、両手首に白い布を巻いてはと考えたのだが、いまひとつ決定的な良策とはいいがたい。白い布をタスキにして身に着けてはとの案もある。君らはどちらがいいと考えるか?』
パリヌルスは一同に質問をする、答えが返ってくる。
『パリヌルス隊長、その二案では白タスキを身に着ける。それがいいと思いますが』
『そうか、判った。白タスキを身に着けることにする。白い布については、あとから持ってくるか、野営地に届けるかする。では事の運びの段取りを伝える。夕めしを終えたら、少し休んで、全員、武装して新艇建造の浜へ来てくれ、野営地に案内する。諸君、任務を遂行すること!以上だ』
一同が大声で『おうっ!』と答えを返す。
パリヌルスは、指示を終えて建造の場へ帰ってきた。建造の場の浜では、かがり火として燃やす用材のきれっぱしが山と積まれている、ドックスが叱咤指揮して作業を進めている。
パリヌルスはオキテスに声をかけた。
『おう、オキテス、五番船の方、うまくいったか?』
『おう、うまくいった。お前のほうは?』