オロンテスは、『はい』と受けて話し始めた。
『キドニアで海の民に関する情報をキャッチしたのは、スダヌス浜頭からです。イラクリオンの浜頭が助けを求めて、スオダの浜に来て事情が解ったと言っています。その浜頭がイラクリオンの浜を出てパノルモスの浜の仲間を訪ねたそうです。訊ねた先の浜頭の集落も襲われていたとそのように言っています。スダヌス浜頭に助けを求めてきた浜頭からその事情をを聴いたのだそうです。襲ってきた奴らは三艘の小船で浜に乗りつけ、その総勢は50人くらいだったそうです。奴らが言い交わす言葉は聞きなれない言葉だったそうです。そのイラクリオンの浜頭は、略奪されるまま、無抵抗に徹して命を守ったそうです。それとは逆にパノルモスの浜の連中は奴らに抵抗したらしいのです。彼らに抵抗した者たち全てが奴らに殺されたらしいといっていました』
イリオネスがオロンテスに訊ねた。
『ほう、そうか。それでスダヌス浜頭は何か言っていたか?』
『自警で守ろうにも、よう護りきれないのではないかと心配していました』
アヱネアスが口を開く。
『だろうな。浜頭の気持ちが解る』
アヱネアスが心配顔で感じるところを述べる。イリオネスが重ねて言葉をかける。
『ところでオロンテス、スダヌス浜頭に聞いてほしいことがある。奴らが襲ってくるのは、一日のうちでいつ頃かを聞いてくれ。夜明け頃か、真夜中か、寝つき頃かをだ』
『解りました』
アヱネアスが言葉を継ぐ。
『オロンテス、それからだが、浜頭の方から、我々に何か要請したいことがあるなら言ってくれるように伝えてくれ。以上だ』
アヱネアスらとスタッフ連との対話が終わりに近づいている。イリオネスが一同に話しかけた。
『いま、オロンテスから話を聞いた。事情が解ったな。情報を共有して、備えを怠ることなく対応してくれ。よろしく頼む』
パリヌルスら四人は、『解りました』と声をそろえた。
パリヌルスがオキテスに声をかけてくる。
『おう、オキテス、今夜は俺がここにいる』
『そうか、明日の夜は、俺が担当する』
『解った。それでいこう』
イリオネスがオキテスに声をかけてくる。
『おう、オキテス、聞いておきたい。進水披露の時に受注した新艇のひき渡しは、いつになるかを決めたら今ここにいるメンバーで話し合って、盛大にやろうと考えている、注文主感動の演出をだ』
『解りました』
彼らの打ち合わせは終わった。
彼らは、残るパリヌルスに声をかけて場を去っていった。
『キドニアで海の民に関する情報をキャッチしたのは、スダヌス浜頭からです。イラクリオンの浜頭が助けを求めて、スオダの浜に来て事情が解ったと言っています。その浜頭がイラクリオンの浜を出てパノルモスの浜の仲間を訪ねたそうです。訊ねた先の浜頭の集落も襲われていたとそのように言っています。スダヌス浜頭に助けを求めてきた浜頭からその事情をを聴いたのだそうです。襲ってきた奴らは三艘の小船で浜に乗りつけ、その総勢は50人くらいだったそうです。奴らが言い交わす言葉は聞きなれない言葉だったそうです。そのイラクリオンの浜頭は、略奪されるまま、無抵抗に徹して命を守ったそうです。それとは逆にパノルモスの浜の連中は奴らに抵抗したらしいのです。彼らに抵抗した者たち全てが奴らに殺されたらしいといっていました』
イリオネスがオロンテスに訊ねた。
『ほう、そうか。それでスダヌス浜頭は何か言っていたか?』
『自警で守ろうにも、よう護りきれないのではないかと心配していました』
アヱネアスが口を開く。
『だろうな。浜頭の気持ちが解る』
アヱネアスが心配顔で感じるところを述べる。イリオネスが重ねて言葉をかける。
『ところでオロンテス、スダヌス浜頭に聞いてほしいことがある。奴らが襲ってくるのは、一日のうちでいつ頃かを聞いてくれ。夜明け頃か、真夜中か、寝つき頃かをだ』
『解りました』
アヱネアスが言葉を継ぐ。
『オロンテス、それからだが、浜頭の方から、我々に何か要請したいことがあるなら言ってくれるように伝えてくれ。以上だ』
アヱネアスらとスタッフ連との対話が終わりに近づいている。イリオネスが一同に話しかけた。
『いま、オロンテスから話を聞いた。事情が解ったな。情報を共有して、備えを怠ることなく対応してくれ。よろしく頼む』
パリヌルスら四人は、『解りました』と声をそろえた。
パリヌルスがオキテスに声をかけてくる。
『おう、オキテス、今夜は俺がここにいる』
『そうか、明日の夜は、俺が担当する』
『解った。それでいこう』
イリオネスがオキテスに声をかけてくる。
『おう、オキテス、聞いておきたい。進水披露の時に受注した新艇のひき渡しは、いつになるかを決めたら今ここにいるメンバーで話し合って、盛大にやろうと考えている、注文主感動の演出をだ』
『解りました』
彼らの打ち合わせは終わった。
彼らは、残るパリヌルスに声をかけて場を去っていった。