イリオネスはアエネアスとの歓談で疲れがどこかに消えていく、そのような思いで話している。頭の中では、このあとの事業に対する対応を考えている。身体のフオースの覚醒を覚える。
『軍団長、とにかく、無事の航海をやってくれた。ご苦労であった。疲れを落とせ、会議と打ち合わせは、明日の朝からということでいいではないか。この営業航海で獲得する成果は、それなりにでっかいと考えている』とイリオネスが言って場に目をやる。
『おう!パリッ!そこの話が終わったら、伝言事項がある、来てくれ』
『はいっ!解りました』
パリヌルスは、ギアスとゴッカス、ドックスを交えて話し合っている。
『おう、ギアスにゴッカス、詳しい話は明後日になるが話し合おう』
『解りました』
パリヌルスは、話を切りあげる、アエネアスのところに向かう。
『おう、パリヌルス、難しい用件ではない。明日、早朝会議をやる。オキテス、オロンテスが帰ってきたらその旨を伝えてくれ。オロンテスには、明日の段取りをするように伝えてくれ』
『承知しました』
アエネアスが話し続ける。
『会議は、いつものように俺の宿舎の前庭でやる。議題は、今回のイリオネスの営業航海で早急に対処する必要のある用件がある。そういうことだ。解ったな。以上だ』
『はい、了解しました』
パリヌルスがギアスとゴッカスのところへ戻ってくる。
『おう、席を外して悪かったな。緊急に俺に伝えたいことがあるかな?』
『いえ!』
『俺は建造の場に戻る。仕事が大事な局面に来ているのだ。ドックス、行こうか』
パリヌルスとドックスが場を去っていく。
ギアスとゴッカスが漕ぎかたらの話の場に加わる、彼らは、話をギアスとゴッカスに振ってくる。二人は積極的に彼らの話に乗っていく、場がにぎわう。
『いやね、私ら、ご両人の操船にとてもとても感服しました。二人は互いに乗っている艇が違うのに、二人の気脈の通じ具合いに感動しました。そのことです』
周囲の一同が二人の顔に目線を集める。ギアスとゴッカスが顔を見合わせる。
『艇が距離を保って海上を走っているにもかかわらず、顔を合わせるだけで、心が、気持ちが通じ合っている。阿吽なんてものじゃない、二人の一体感を感じましたな。ただならぬ気脈を通じての操船でした。我々も、それを見習わなければと話し合っていたところです』
『ほう、俺らが気脈を通じ合わせて、操船していたように見えたか?』とギアス。
『はい。そうです』
『おう、ゴッカス、俺ら二人、もっと、しっかり、しゃんとしなけりゃならんな』
『おう、ギアス、そのようだな』
『船が船団として海上を行くとき、心しなければならんということか』
『誉められたと思って礼を言う』
ゴッカスが手を伸ばして近くにある酒壺を手にとる、漕ぎかたの一人に酒杯を持たせる、その杯上で酒壺を逆さにする、酒壺がからのようだ、酒のしずくが二滴ばかり杯の中に落ちる。
歓声があがる、歓声が笑いにかわる、一同が大声をあげて笑った。
『これは、しくじったな』とゴッカスが頭をかいた。
『軍団長、とにかく、無事の航海をやってくれた。ご苦労であった。疲れを落とせ、会議と打ち合わせは、明日の朝からということでいいではないか。この営業航海で獲得する成果は、それなりにでっかいと考えている』とイリオネスが言って場に目をやる。
『おう!パリッ!そこの話が終わったら、伝言事項がある、来てくれ』
『はいっ!解りました』
パリヌルスは、ギアスとゴッカス、ドックスを交えて話し合っている。
『おう、ギアスにゴッカス、詳しい話は明後日になるが話し合おう』
『解りました』
パリヌルスは、話を切りあげる、アエネアスのところに向かう。
『おう、パリヌルス、難しい用件ではない。明日、早朝会議をやる。オキテス、オロンテスが帰ってきたらその旨を伝えてくれ。オロンテスには、明日の段取りをするように伝えてくれ』
『承知しました』
アエネアスが話し続ける。
『会議は、いつものように俺の宿舎の前庭でやる。議題は、今回のイリオネスの営業航海で早急に対処する必要のある用件がある。そういうことだ。解ったな。以上だ』
『はい、了解しました』
パリヌルスがギアスとゴッカスのところへ戻ってくる。
『おう、席を外して悪かったな。緊急に俺に伝えたいことがあるかな?』
『いえ!』
『俺は建造の場に戻る。仕事が大事な局面に来ているのだ。ドックス、行こうか』
パリヌルスとドックスが場を去っていく。
ギアスとゴッカスが漕ぎかたらの話の場に加わる、彼らは、話をギアスとゴッカスに振ってくる。二人は積極的に彼らの話に乗っていく、場がにぎわう。
『いやね、私ら、ご両人の操船にとてもとても感服しました。二人は互いに乗っている艇が違うのに、二人の気脈の通じ具合いに感動しました。そのことです』
周囲の一同が二人の顔に目線を集める。ギアスとゴッカスが顔を見合わせる。
『艇が距離を保って海上を走っているにもかかわらず、顔を合わせるだけで、心が、気持ちが通じ合っている。阿吽なんてものじゃない、二人の一体感を感じましたな。ただならぬ気脈を通じての操船でした。我々も、それを見習わなければと話し合っていたところです』
『ほう、俺らが気脈を通じ合わせて、操船していたように見えたか?』とギアス。
『はい。そうです』
『おう、ゴッカス、俺ら二人、もっと、しっかり、しゃんとしなけりゃならんな』
『おう、ギアス、そのようだな』
『船が船団として海上を行くとき、心しなければならんということか』
『誉められたと思って礼を言う』
ゴッカスが手を伸ばして近くにある酒壺を手にとる、漕ぎかたの一人に酒杯を持たせる、その杯上で酒壺を逆さにする、酒壺がからのようだ、酒のしずくが二滴ばかり杯の中に落ちる。
歓声があがる、歓声が笑いにかわる、一同が大声をあげて笑った。
『これは、しくじったな』とゴッカスが頭をかいた。