『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1219

2018-02-08 08:56:00 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
建造の浜には、すでにテムノス方の新艇が停泊している、二人が波打ち際に立って艇を見つめる。
 『この新艇に新舵構造を取り付けてほしい。出来るだけ早く完了してくれれば、言うことは何もない。引き渡しについては俺が考える。引き渡しにかかる日程は2日と考えている。強行日程でも1日というわけにはいかないだろうと考えている』
 『解った。ヘルメスを改造した要領でやる。前日に部材の調製、朝、作業に取り掛かって夕刻までに仕上げる。1日で完了だ。明後日には仕上がる』
 『引き渡しは、ギアスに行ってもらおうと考えている。いいかな?レテムノンからの帰りはヘルメスで帰ってくるというわけだ』
 『おう、了解した。ギアスにその旨を伝えておく。航海の日程、引き渡し要領の説明はお前に任せる』
 『おう、これで、この件落着だ!』
 『次はなんだ?』
 『次の件はだな、マリア集散所で提起された件だが、船としての頑丈さの再チエックだ。我々が持ち返った案件は、船としての頑丈さと引き渡し価格価格だ。この二つが船を求める者に取って意思決定の要素であると言い渡された。詳しいことは会議で軍団長が話す。この二件だ。明日の会議で船の建造と我々の営業姿勢がこうあるべきだと決まるのではないかと俺は考えている』
 『ほう、そういうことか。今回の航海は、軍団長にとって営業のありかたを決めるよすがとする調査と営業のカタチを鮮明にするための航海であったのか。我々だけの考え方だけでは、片手落ちになるとしての心配りであると考えられる』
 『我々の営業のカタチ、建造に関する考え方が確かになるということか』
 『そうだと考えられる。独りよがりでは、こけはしないかとの心配だ!』
 『そうか、そのようにならないための一手か二手か。よく解った。お前も俺もだが、そのあたりを見誤らない、いい結果を出せる営業のカタチをつくっていこう』
 オキテスは一拍の間を取って話を続ける。
 『おう、パリヌルス、お前の言う通りだ!』
 『おう!』
 二人は、二人なりの洞察にうなずき合う。
 建造の場が終業の頃合いとなる。
 オキテスは、ドックスと連れだって建造中の戦闘艇二艇の出来あがり具合をチエックする。予定した工程がクリアされている。その状態を丹念に見るオキテス。
 『おう、満足できる出来あがり具合だ!重畳!』
 『オキテス隊長、作業は予定通りに進行しています』
 『おう、そのように作業が進んでいるのを確認した。ところでドックス、明日のことだが、艇体の構造に脆弱な部分がないか?艇体を構成している部材が適切であるか?艇体を造るのに使用している金具、用具等が堅牢であるか?使用方法が適切であるか?をチエックしてほしい。それらに抜かりがあってはならない。厳重チエックを頼む』