『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1222

2018-02-14 07:40:17 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 パリヌルスが手をあげる、口を開く。
 『軍団長、よくわかりました。造船事業をどの方向に向けて進めていくか、進める場合の要注意点についても話をしていただき理解しました。船を買いたいと望む客が、造船事業を営む者に対して、何をどのように望んでいるか、よく理解できました。そのことについて建造に携わっている者が、どうあらねばならないかを理解しました。それで緊急の用件があると聞いていますがそれはどのような件でしょうか?』
 『それは早急に戦闘艇の客への引き渡し価格をキドニアの集散所と話し合って、マリアの集散所へ連絡しなければならないこと、また、建造した船が長期の仕様に耐え、いつまでも損傷しない頑丈さであるか否かの具体的状態説明と建造作業に携わっている我々の作業技術と作業姿勢と作業マインドが問われている。また、そのことに関連した保証制度を考えたいとも考えている』
 『解りました。それで軍団長の考えていられる予定とその件に関する作業を指示していただければ、急いでやります』
 『客への引き渡し価格の決定が最優先する。会議を一旦中断して、私が指示する作業をパリヌルス、オキテスの両名でやってくれ!それは何かというと、戦闘艇の製造原価を計算してほしい。そのうえで我々が必要とする利益を加算して、船舶の価格相場と照合して我々サイドが望む客への引き渡し価格を決めて、明日、集散所と話し合って最終的に決定する。二番目の船の頑丈さのチエックは、オキテス、お前がドックスにはかって確かめてくれ。以上だ。そのような理由で会議を一時解いて、その作業をやってくれ。夕刻になって再度、会議を開き、それらを決定して、その答えを携えて、明日、キドニアの集散所に出向く、そのうえで話し合って価格を決定する。そういうことだ』
 イリオネスが一同と目を合わせる。
 『解りました。早速その作業に取り掛かります』
 『おうっ!』
 パリヌルスとオキテスが建造の場に足を運ぶ、二人は原価計算について打ち合わせる、木板に数字を書き付けていく、二人二様の製造原価算出方法で計算をやる、それを終えて二者が算出した数字を照合して、算出方法と算出数字の妥当性を検討する。二人が話し合う、オキテスの算出した原価を提示することとした。
 『おう、オキテス、君が算出した数字を提示しよう。それに決まりだ』
 『そうだな。それに我々が望む利益を加算する。会議の席で検討して決める。軍団長の意向もあり、統領の考えもあるであろう』
 『それでいい』
 『そうだな。船としての頑丈さの件については、ドックスに一任している、会議に出席させる予定でいる』
 『頑丈さについては、俺が考えなければならない領域については俺が答える』
 『おう、了解!』
 二人がうなずき合う、チエック作業を終えたドックスが姿を見せた。