『統領、行きましょう』
『おうっ!』
一行は、スダヌスに導かれて集散所の小部屋に落ち着いた。
改まるスダヌス、先ほどのスダヌスとは打って変わる態度であいさつをした。スダヌスがオキテスに話しかける。
『オキテス殿、話の進行役を務めていただきたい。頼みます』
『おう、心得た』
五人の目がスダヌスを注視する。部屋うちの気が引き締まる。オキテスが口を開く。
『スダヌス殿、先日の木片に書き記された数字と単位、そして、現行の貨幣制度から話していただければと考えています』
『いいでしょう。する話は、ちょっぴり、こむつかしい話ですが、皆さん、そう硬くならずに座談風に話を進めていきましょうや。硬い話し方は、私の得意としないところです。いいですかな、統領、軍団長、そして、三人の皆さん、体から力を抜いてください。笑いながら話を進めてまいりましょうや』
彼は、話しながら上着のポケットに手を突っ込んで、持ってきた数個の銀貨を取り出す、3個の銀貨を手からこぼす。
『オットット!』
銀貨のひとつが、アヱネアスのつま先あたりに転がり落ちて止まる。身を屈める二人、頭が衝突する、スダヌスが銀貨を拾い上げる、目を合わせて笑いを交わした。
『ハッハッハ!』『ハッハッハ!』
スダヌスが拾い上げた銀貨がアヱネアスに手渡された。
イリオネスとオロンテスが転がっている二つの銀貨を拾い上げて見つめた。パリヌルスとオキテスには、スダヌスが手に持っている銀貨が手渡された。
スダヌスが演じたこの所作が場の空気を和ませた。
『ではでは、この銀貨についての話から行きますか』
彼は、一同と目を合わせた。
『この銀貨は、ギリシア本土のコリントスで発行されていtる銀貨です。アテネでは通貨の造幣が計画されているらしいのですが、まだ、公式には発行されてはいません。いま、交易の場で広く使用されている通貨で、一番信用されている通貨です。アテネにおいても使用されている通貨です。当然、このクレタでもこの通貨が使われています』
スダヌスは、ここまで話して間を持った。
『この銀貨の通貨価値は、2ドラクマで通用しています』
スダヌスの話を聞いている五人は、しげしげと手にしている銀貨を眺めた。
アヱネアスもイリオネスも、この銀貨については知っている、詳しく知っていないのはパリヌルスら三人であった。
『おうっ!』
一行は、スダヌスに導かれて集散所の小部屋に落ち着いた。
改まるスダヌス、先ほどのスダヌスとは打って変わる態度であいさつをした。スダヌスがオキテスに話しかける。
『オキテス殿、話の進行役を務めていただきたい。頼みます』
『おう、心得た』
五人の目がスダヌスを注視する。部屋うちの気が引き締まる。オキテスが口を開く。
『スダヌス殿、先日の木片に書き記された数字と単位、そして、現行の貨幣制度から話していただければと考えています』
『いいでしょう。する話は、ちょっぴり、こむつかしい話ですが、皆さん、そう硬くならずに座談風に話を進めていきましょうや。硬い話し方は、私の得意としないところです。いいですかな、統領、軍団長、そして、三人の皆さん、体から力を抜いてください。笑いながら話を進めてまいりましょうや』
彼は、話しながら上着のポケットに手を突っ込んで、持ってきた数個の銀貨を取り出す、3個の銀貨を手からこぼす。
『オットット!』
銀貨のひとつが、アヱネアスのつま先あたりに転がり落ちて止まる。身を屈める二人、頭が衝突する、スダヌスが銀貨を拾い上げる、目を合わせて笑いを交わした。
『ハッハッハ!』『ハッハッハ!』
スダヌスが拾い上げた銀貨がアヱネアスに手渡された。
イリオネスとオロンテスが転がっている二つの銀貨を拾い上げて見つめた。パリヌルスとオキテスには、スダヌスが手に持っている銀貨が手渡された。
スダヌスが演じたこの所作が場の空気を和ませた。
『ではでは、この銀貨についての話から行きますか』
彼は、一同と目を合わせた。
『この銀貨は、ギリシア本土のコリントスで発行されていtる銀貨です。アテネでは通貨の造幣が計画されているらしいのですが、まだ、公式には発行されてはいません。いま、交易の場で広く使用されている通貨で、一番信用されている通貨です。アテネにおいても使用されている通貨です。当然、このクレタでもこの通貨が使われています』
スダヌスは、ここまで話して間を持った。
『この銀貨の通貨価値は、2ドラクマで通用しています』
スダヌスの話を聞いている五人は、しげしげと手にしている銀貨を眺めた。
アヱネアスもイリオネスも、この銀貨については知っている、詳しく知っていないのはパリヌルスら三人であった。