ハル・デヴィッド (Hal David)が亡くなったということを、朝刊の訃報欄で知った。
91歳だそうで、一緒に歌を作ったバート・バカラック(作曲家)は84歳、思ったより歳が離れていたようだ。そういえば私が歌を習うようになって手に入れた二人のソングブックの表紙写真を見ると、風貌にそれなりの歳の差がある。
20世紀後半、シンガー・ソングライターあるいはそのグループが多くなってきて彼らを除くと多くの傑作を生みだした作詞家といえばこのハル・デヴィッドそしてキャロル・キングとコンビだったジェリー・ゴフィンくらいだろうか。
上述のように習いだしてからデヴィッド/バカラックの歌を何曲か歌ってみると、よくこんなと思うほど広いところから表現を採ってきていて、バカラックの凝った作曲とともに、歌として挑戦しがいがあるものが多い。
カヴァーしている人たちも、ディオンヌ・ワーウィックやカーペンターズからジャズ系の人たちまで多彩である。
最初の頃、この二人の映画サウンド・トラックで「カジノ・ロワイヤル」、「明日に向かって撃て!」はあまりにも有名だが、その後の映画で既存の曲、演奏をセレクトして使うことが多くなってからも、彼らの作品はよく使われている。中でも「ベスト・フレンズ・ウェディング」(ジュリア・ロバーツ、キャメロン・ディアス)は素敵(「小さな願い(I say a little prayer)」など)。
あと一曲、「何かいいことないか子猫ちゃん」で使われた同名主題歌 What's New Pussycat は、デヴィッド/バカラック「よくも書いたり」だし、この人しかこういう下品で粋にはできないトム・ジョーンズの歌唱、よく思い浮かぶし、大好きである。