ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
Pf : エレーヌ・グリモー デーヴィッド・ジンマン指揮 NHK交響楽団
2013年1月13日 サントリーホール 4月7日(日)NHKの放送録画
久しぶりに聴くオーケストラとピアノが一体と言われるこの曲、何かをしっかりと受け止めるというより、たっぷりした時間を味わうという感じである。
グリモーは本当にスケールの大きな演奏をするようになった。そして5年前に同じホールで「皇帝」を聴いたとき、思いのほかしっかりした音だなと思ったのだが、今回はまたよりそういう感が強い。
このピアノ、見ると普通のスタイン・ウェイのコンサート・グランド、多分一番大きいものなんだろう。調律だけでここまでこうなるとも思えないし、同じ番組で少し流れたやはりサントリーホールのリサイタルにおけるバルトーク「ルーマニア民族舞曲」はソロらしい音であった。
あやふやな想像だが、このブラ―ムスではかなり細かくペダルを使っていたから、彼女の技術なのかもしれない。そうであってもこの曲にふさわしい音を提供したのは感心する。
番組の冒頭インタビューで、同じブラ―ムスの協奏曲第1番でクラウディオ・アラウの演奏を聴いたのは人生の転機だった、ブラームスとの最初の出会いだった、この第2番は第1番から24年たって作られたが、彼女にとっても曲への思いが形になるには同じくらいの年月を要したとのことである。これを語るエレーヌのチャーミングなこと! 今回は英語。
もっとも演奏する姿は以前よりも、肩から背中の筋肉がたくましくなっている。もちろんこれはいいことである。