没後40年 熊谷守一 生きるよろこび
2017年12月1日(金)- 2018年3月21日(水)
東京国立近代美術館
熊谷守一(1880-1977)の代表的な作品はいくつかの機会に見ているが、こうしてまとめて見るのははじめてである。この人の特徴としてあげられる太い輪郭線と塗りつぶしたような、色彩の組み合わせ方としては貼り絵のような構成、それは70歳を過ぎるあたりからのもので、若いころからそこまでのもの、そして自宅にこもりきった晩年の傑作群を、存分に見ることができる。
こうしてみると、子供を亡くしたときの「ヤキバノカエリ」(1956)も、以前見た時より輪郭線、色彩の選択、三人の身体など、より考え抜かれ工夫された絵として受け取ることができた。
。
昼間長い時間をそれも場合によっては何年もかけて熊谷流に観察し、実際に描くのは夜で、彼流の色彩理論で描いたそうで、それはなるほどここまで煮詰めた、これ以上変えようがないという色の美しさとバランスに結晶している。
またいくつか経過する時間が反映されているものもあって(たとえば「稚魚」)、これも楽しい。もう一つ極め付きのようなものをあげれば「雨滴」(1961)!
97歳の生涯、それは東京美術学校では青木繁と同期、そしてここに長谷川利行(1891-1940)が描いた「熊谷守一像」(よく描けている)が展示されていることなど、美術の世界を長く存分に生きたともいえる。
なお、これらの作品、童心の世界ではなく、子供に見せるといいという絵でもない。
2017年12月1日(金)- 2018年3月21日(水)
東京国立近代美術館
熊谷守一(1880-1977)の代表的な作品はいくつかの機会に見ているが、こうしてまとめて見るのははじめてである。この人の特徴としてあげられる太い輪郭線と塗りつぶしたような、色彩の組み合わせ方としては貼り絵のような構成、それは70歳を過ぎるあたりからのもので、若いころからそこまでのもの、そして自宅にこもりきった晩年の傑作群を、存分に見ることができる。
こうしてみると、子供を亡くしたときの「ヤキバノカエリ」(1956)も、以前見た時より輪郭線、色彩の選択、三人の身体など、より考え抜かれ工夫された絵として受け取ることができた。
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昼間長い時間をそれも場合によっては何年もかけて熊谷流に観察し、実際に描くのは夜で、彼流の色彩理論で描いたそうで、それはなるほどここまで煮詰めた、これ以上変えようがないという色の美しさとバランスに結晶している。
またいくつか経過する時間が反映されているものもあって(たとえば「稚魚」)、これも楽しい。もう一つ極め付きのようなものをあげれば「雨滴」(1961)!
97歳の生涯、それは東京美術学校では青木繁と同期、そしてここに長谷川利行(1891-1940)が描いた「熊谷守一像」(よく描けている)が展示されていることなど、美術の世界を長く存分に生きたともいえる。
なお、これらの作品、童心の世界ではなく、子供に見せるといいという絵でもない。