ラモー:歌劇「みやびなインドの国々」
指揮:レオナルド・ガルシア・アラルコン、演出:クレマン・コジトレ
サビーヌ・ドゥヴィエル、ジェリー・フォックス、フロリアン・サンペイ、アレクサンドル・デュアメル、マティアス・ヴィダール、ジョディ・デボス、エドウィン・クロスリー・マーサー、スタニスラス・ド・バルベラク
管弦楽:カペラ・メディテラネア
2019年10月8.10日 パリ・オペラ座バスチーユ、2022年7月 NHK BSP(再放送)
ラモーについてはクラブサンなどの鍵盤音楽をずいぶん若いころに効いた記憶があるだけだったが、2019年に「イポリットとアリシー」(これはフェードルも出てくる古典的な筋のオペラ)を観、18世紀オペラの傑作で楽しめるものと驚いた。
今回のオペラはまたちがった感じで、現代にも通じるエンターテイメントとなっている。インドというのはフランスから見たさまざまな異国の総称で、4部からなるこの作品、第1部「寛大なトルコ人」、第2部「ペルーのインカ人」、第3部「花々(ペルシア)」、第4部「未開人たち(アメリカ)」というエキゾチックというかかなり荒唐無稽な話からなっている。
多くはなかなかうまくいかない恋の話だが、興味深いのは征服者、被征服者と善悪の組み合わせがステレオタイプになっていないことで、一つ一つはそう面倒くさい進展でなくめでたしめでたしとなる。それも音楽とダンス(バレエ)で楽しませるという意図が明確だから、近代でいうとレヴューというかそういう趣きがある。
特にこの公演が大評判になったのは第4部で祝典のような多人数のダンスで、このグルーヴ感があるというかノリのいい音楽で、ブレイクダンス、ストリートダンス、ヒップホップでこれでもかこれでもかと楽しませる。パリ・オペラ座だからかというわけでもないだろうが、アフリカ系の;ダンサーが多い。
考えてみれば、ラモー((1683-1764)はバッハ(11685-1750)、ヘンデル(1685-1759)、グルック(1714-1787)などとほぼ同時に活躍した人である。バッハを除けばみな劇音楽で19世紀の人気オペラにおとらない作品をいくつも書いている。上演も増えてきているし、映像で見る機会のかなりあるから、これはうれしいことである。
この作品の管弦楽は「イポリットとアリシー」でも書いたが、ヘンデルのあのしつこく続く通奏低音みたいなものに似ているけれど、もう少し変化がある。
実は2019年Eテレの「らららクラシック」で作曲家の宮川彬良がラモーと本上演を取り上げ、少し前に放送していたのを見逃したのが残念だったが、今回再放送で見ることができたのは幸いだった。
宮川によるとラモーは「和声楽」の本をはじめて書いた人(バッハでなく)だそうで、そう見ていたらこのような面を知り、これは現代のレベルと比べても、ミュージカル、エンターテイメントのクリエイター、プロデューサーとして大変な人だということであり、この企画を持ち出したようだ。時代としてはルイ14世だから納得できるところはある。
第3部で二組の男女の仲がもつれて最後組み合わせが変わって四人幸せになるところの長く美しい四重唱、なるほど和声法の達人といってもいいだろうか。
それから特にパリではバレエのないオペラはつまらないと見向きもされなかったらしいが、そういえば後にヴェルディの作品などでバレエが入ったパリ版をいう少し長い版があったりする(たしか「ドン・カルロ」など)。それもラモーの話から少し納得できるようになった。
指揮:レオナルド・ガルシア・アラルコン、演出:クレマン・コジトレ
サビーヌ・ドゥヴィエル、ジェリー・フォックス、フロリアン・サンペイ、アレクサンドル・デュアメル、マティアス・ヴィダール、ジョディ・デボス、エドウィン・クロスリー・マーサー、スタニスラス・ド・バルベラク
管弦楽:カペラ・メディテラネア
2019年10月8.10日 パリ・オペラ座バスチーユ、2022年7月 NHK BSP(再放送)
ラモーについてはクラブサンなどの鍵盤音楽をずいぶん若いころに効いた記憶があるだけだったが、2019年に「イポリットとアリシー」(これはフェードルも出てくる古典的な筋のオペラ)を観、18世紀オペラの傑作で楽しめるものと驚いた。
今回のオペラはまたちがった感じで、現代にも通じるエンターテイメントとなっている。インドというのはフランスから見たさまざまな異国の総称で、4部からなるこの作品、第1部「寛大なトルコ人」、第2部「ペルーのインカ人」、第3部「花々(ペルシア)」、第4部「未開人たち(アメリカ)」というエキゾチックというかかなり荒唐無稽な話からなっている。
多くはなかなかうまくいかない恋の話だが、興味深いのは征服者、被征服者と善悪の組み合わせがステレオタイプになっていないことで、一つ一つはそう面倒くさい進展でなくめでたしめでたしとなる。それも音楽とダンス(バレエ)で楽しませるという意図が明確だから、近代でいうとレヴューというかそういう趣きがある。
特にこの公演が大評判になったのは第4部で祝典のような多人数のダンスで、このグルーヴ感があるというかノリのいい音楽で、ブレイクダンス、ストリートダンス、ヒップホップでこれでもかこれでもかと楽しませる。パリ・オペラ座だからかというわけでもないだろうが、アフリカ系の;ダンサーが多い。
考えてみれば、ラモー((1683-1764)はバッハ(11685-1750)、ヘンデル(1685-1759)、グルック(1714-1787)などとほぼ同時に活躍した人である。バッハを除けばみな劇音楽で19世紀の人気オペラにおとらない作品をいくつも書いている。上演も増えてきているし、映像で見る機会のかなりあるから、これはうれしいことである。
この作品の管弦楽は「イポリットとアリシー」でも書いたが、ヘンデルのあのしつこく続く通奏低音みたいなものに似ているけれど、もう少し変化がある。
実は2019年Eテレの「らららクラシック」で作曲家の宮川彬良がラモーと本上演を取り上げ、少し前に放送していたのを見逃したのが残念だったが、今回再放送で見ることができたのは幸いだった。
宮川によるとラモーは「和声楽」の本をはじめて書いた人(バッハでなく)だそうで、そう見ていたらこのような面を知り、これは現代のレベルと比べても、ミュージカル、エンターテイメントのクリエイター、プロデューサーとして大変な人だということであり、この企画を持ち出したようだ。時代としてはルイ14世だから納得できるところはある。
第3部で二組の男女の仲がもつれて最後組み合わせが変わって四人幸せになるところの長く美しい四重唱、なるほど和声法の達人といってもいいだろうか。
それから特にパリではバレエのないオペラはつまらないと見向きもされなかったらしいが、そういえば後にヴェルディの作品などでバレエが入ったパリ版をいう少し長い版があったりする(たしか「ドン・カルロ」など)。それもラモーの話から少し納得できるようになった。