アラスカ魂(North To Alaska、1960米、122分)
監督:ヘンリー・ハサウェイ)、音楽:ライオネル・ニューマン
ジョン・ウエイン(サム)、スチュワート・グレンジャー(ジョージ)、キャプシーヌ(ミシェル)、アーニー・コバックス(フランキー)、フェビアン(ビリー)
ジョン・ウェインの「アラモ」を見た後、すぐに公開されたので見に行ったことを覚えている。たしか日比谷映画だったと思う。
一見西部劇だが、より気楽に見られるコメディでもある。時代もゴールドラッシュとしては多分後期、1900年ころのアラスカ、ノームの近くでサムとジョージ、その弟のビリーが金鉱を当て、ジョージが結婚を約束した娘を呼んでくるため、そこに用があったサムがシアトルへ船で行く。
相手は別の男を一緒になっていて、サムはそこで知り合ったミシェルをジョージに引き合わせようと誘ってアラスカに帰るが、次第に自分の方が好きになって、というお決まりといえばそういうパターン。
そこに金鉱を奪おうと権利関係のトリックをしかけた有力者のフランキーとの闘いが男たちとミシェルの恋模様の中で続き、最後は街中で、泥んこにまみれた壮大なアクションの連続でめでたしめでたしとなる。
ラズロ・フォーダーの原作は舞台劇らしく、そういえば場面場面をうまくつなげれば、舞台でも成立する感じである。
「アラモ」のウェインに休息を、というわけではないが、ヘンリー・ハサウェイの演出は肩の力が抜けた感じでうまい。事実、ウェインは楽しそうに演じているし、コミカルなアクションも見もの、ジョニー・ホートンの歌でヒットした主題歌(ドーナツ盤持っていた)が、うまく編曲されてBGMのほとんどをカヴァーしていて楽しい。またこの歌、タイトルと一緒のところでは物語の背景を手短に説明していて、くつろいで見られる雰囲気を出している。
キャプシーヌは掃き溜めに鶴といった役柄でそれに合っているが、もう少し前に出るところがあってもいいかなと思った。ジョン・ウェイン出演作品で女優というとモーリン・オハラを思い浮かべるが、たまにこういう対照的な人を配することもある。そのなかでは「リオ・ブラボー」のアンジー・ディキンソンが、美貌、スタイル、そしていわくありげな雰囲気とじゃじゃ馬ぶりが出色だった。
この時代だから、シネマスコープのカラーもきれいだし、ここまでの西部劇の積み重ねが、美術、衣装、アクション、音楽など丁寧に発展させてきて、ハリウッド映画のレベルアップに大きく貢献したと感じる。
監督:ヘンリー・ハサウェイ)、音楽:ライオネル・ニューマン
ジョン・ウエイン(サム)、スチュワート・グレンジャー(ジョージ)、キャプシーヌ(ミシェル)、アーニー・コバックス(フランキー)、フェビアン(ビリー)
ジョン・ウェインの「アラモ」を見た後、すぐに公開されたので見に行ったことを覚えている。たしか日比谷映画だったと思う。
一見西部劇だが、より気楽に見られるコメディでもある。時代もゴールドラッシュとしては多分後期、1900年ころのアラスカ、ノームの近くでサムとジョージ、その弟のビリーが金鉱を当て、ジョージが結婚を約束した娘を呼んでくるため、そこに用があったサムがシアトルへ船で行く。
相手は別の男を一緒になっていて、サムはそこで知り合ったミシェルをジョージに引き合わせようと誘ってアラスカに帰るが、次第に自分の方が好きになって、というお決まりといえばそういうパターン。
そこに金鉱を奪おうと権利関係のトリックをしかけた有力者のフランキーとの闘いが男たちとミシェルの恋模様の中で続き、最後は街中で、泥んこにまみれた壮大なアクションの連続でめでたしめでたしとなる。
ラズロ・フォーダーの原作は舞台劇らしく、そういえば場面場面をうまくつなげれば、舞台でも成立する感じである。
「アラモ」のウェインに休息を、というわけではないが、ヘンリー・ハサウェイの演出は肩の力が抜けた感じでうまい。事実、ウェインは楽しそうに演じているし、コミカルなアクションも見もの、ジョニー・ホートンの歌でヒットした主題歌(ドーナツ盤持っていた)が、うまく編曲されてBGMのほとんどをカヴァーしていて楽しい。またこの歌、タイトルと一緒のところでは物語の背景を手短に説明していて、くつろいで見られる雰囲気を出している。
キャプシーヌは掃き溜めに鶴といった役柄でそれに合っているが、もう少し前に出るところがあってもいいかなと思った。ジョン・ウェイン出演作品で女優というとモーリン・オハラを思い浮かべるが、たまにこういう対照的な人を配することもある。そのなかでは「リオ・ブラボー」のアンジー・ディキンソンが、美貌、スタイル、そしていわくありげな雰囲気とじゃじゃ馬ぶりが出色だった。
この時代だから、シネマスコープのカラーもきれいだし、ここまでの西部劇の積み重ねが、美術、衣装、アクション、音楽など丁寧に発展させてきて、ハリウッド映画のレベルアップに大きく貢献したと感じる。