5月12日-7月16日 東京都写真美術館
川内倫子(1972- ) について、これまで何も知らなかった。
今回こうして少しまとめてみるととても新鮮である。まず目につくのは縦横約1mの正方形の作品群で、普通の横長のものより、何か集中して切り取られたものを見るという緊張感が心地よい。ポスターにもある(おそらく)朝の通学時の駅の階段、その真ん中にさす光、これが横長だったらこうはならない。フィルムは6x6だそうだ。
子供のころ、最初に買ってもらった安いカメラのフィルムも正方形だった。焼き付けると下のかなりの部分が白く残る。35㎜カメラはまだ高級品だったと思う。
考えてみれば、人間の視野は長方形というか長楕円みたいで、それで今もTVや多くの写真が横長になっているのだろう。ただ片目で見てみるともう少し正方形に近い。そして両目で見ていても、片方が効き目であるから、案外人間は視野の中で少し狭いところを見ているのかもしれない。
川内の最新の写真は4X5が多いようで、これは正方形より少し横に広い。阿蘇の野焼きの作品にはぎりぎりこのサイズが合っているようだ。
この人にはこれからも注目していきたい。