法務問題集

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民法 > 物権 > 担保物権 > 抵当権 > 総則 > 効力の及ぶ範囲

2004-03-20 00:00:00 | 民法 > 物権
【問題】
01. 抵当権の効力は、原則として、抵当不動産の付加一体物に及ぶ。

02. 抵当権が土地に設定された場合、抵当権の効力は抵当地上の建物に及ぶ。

03. 抵当権が建物に設定された場合、抵当権の効力は敷地に及ぶ。

04. 抵当権が建物に設定された場合、原則として、抵当権の効力は敷地利用権に及ぶ。

05. 抵当権が借地上の建物に設定された場合、抵当権の効力は借地権に及ぶ。

06. 抵当権が借地上のガソリンスタンド用店舗建物に設定された場合、抵当権の効力は地下タンクや洗車機に及ぶ。

07. 被担保債権に係る不履行があった場合、抵当権の効力は不履行後に発生した抵当不動産の果実に及ぶ。

08. 被担保債権に係る不履行がなかった場合でも、抵当権の効力は抵当権設定後に発生した抵当不動産の果実に及ぶ。

【解答】
01. ○: 民法370条(抵当権の効力の及ぶ範囲)本文

02. ×: 民法370条(抵当権の効力の及ぶ範囲)本文
抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶ。

03. ×

04. ○: 民法370条(抵当権の効力の及ぶ範囲)本文

05. ○: 最判昭40.05.04 要旨1
土地賃借人が該土地上に所有する建物について抵当権を設定した場合には、原則として、右抵当権の効力は当該土地の賃借権に及び、右建物の競落人と賃借人との関係においては、右建物の所有権とともに土地の賃借権も競落人に移転するものと解するのが相当である。

06. ○: 最判平02.04.19 要旨
ガソリンスタンドの店舗用建物に対する抵当権設定当時、建物内の設備と一部管によって連通する地下タンク、ノンスペース型計量機、洗車機などの諸設備を右建物の敷地上又は地下に近接して設置し、これらを右建物に付属させて経済的に一体として右営業に使用していたなど判示の事情の下においては、右諸設備には、右建物の従物として抵当権の効力が及ぶ。

07. ○: 民法371条(抵当権の効力の及ぶ範囲)

08. ×: 民法371条(抵当権の効力の及ぶ範囲)
抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。

【参考】
民法第370条 - Wikibooks
民法第371条 - Wikibooks