【問題】
01. 債務者が自身所有の不動産に他の債権者への抵当権を設定する行為は、詐害行為に該当し得る。
02. 債務者が他の債権者と共謀して手持ちの現金でその債権者に弁済する行為は、詐害行為に該当し得る。
03. 債務者が他の債権者に代物弁済をする行為は、詐害行為に該当し得る。
04. 債務者が第三者に自身所有の不動産を相当の対価で売却する行為は、詐害行為に該当し得る。
05. 離婚に伴う財産分与は、原則として、詐害行為に該当する。
06. 養子縁組は、詐害行為に該当する。
07. 相続の放棄は、詐害行為に該当する。
【解答】
01. ○: 最判昭32.11.01 要旨
02. ○: 最判昭33.09.26 要旨
03. ○: 最判昭48.11.30 要旨
04. ○: 大判明39.02.05 要旨
05. ×: 最判昭58.12.19 要旨
06. ×: 民法424条(詐害行為取消権)2項
07. ×: 最判昭49.09.20 要旨
【参考】
詐害行為取消権 - Wikipedia
01. 債務者が自身所有の不動産に他の債権者への抵当権を設定する行為は、詐害行為に該当し得る。
02. 債務者が他の債権者と共謀して手持ちの現金でその債権者に弁済する行為は、詐害行為に該当し得る。
03. 債務者が他の債権者に代物弁済をする行為は、詐害行為に該当し得る。
04. 債務者が第三者に自身所有の不動産を相当の対価で売却する行為は、詐害行為に該当し得る。
05. 離婚に伴う財産分与は、原則として、詐害行為に該当する。
06. 養子縁組は、詐害行為に該当する。
07. 相続の放棄は、詐害行為に該当する。
【解答】
01. ○: 最判昭32.11.01 要旨
債務者が、他の債権者に十分な弁済をなし得ないためその利益を害することになることを知りながら、ある債権者のために根抵当権を設定する行為は、詐害行為にあたるものと解すべきである。
02. ○: 最判昭33.09.26 要旨
債務超過の状態にある債務者が、1債権者に対しなした弁済が、たとえ原審認定の如き経緯に出た場合であっても、それが債権者から強く要求された結果、法律上当然弁済すべき債務をやむなく弁済したものと認められる以上、未だこれをもって債務者が1債権者と通謀し他の債権者を害する意思をもってなした詐害行為であると解することはできない。
03. ○: 最判昭48.11.30 要旨
債務超過の状態にある債務者が特定の債権者に対する債務の弁済に代えて第三者に対する自己の債権を譲渡し、この債権の額が右債権者に対する債務の額を超えない場合であっても、債務者に詐害の意思があるときは、右債権譲渡は、詐害行為として取消の対象になりうる。
04. ○: 大判明39.02.05 要旨
民法第424条の規定は債務者が他に債権を弁済すべき目的なくして自己の財産を売却するときは其価格の相当なると否とを論せず債権者を害することを知りて為したる法律行為と推定すべき法意なり
05. ×: 最判昭58.12.19 要旨
離婚に伴う財産分与は、民法768条3項の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情のない限り、詐害行為とはならない。
06. ×: 民法424条(詐害行為取消権)2項
前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。
07. ×: 最判昭49.09.20 要旨
相続の放棄は、民法424条の詐害行為取消権行使の対象とならない。
【参考】
詐害行為取消権 - Wikipedia