月曜日の朝会社に8時半に出社した
いつものように事務員さんはコーヒーを淹れてくれた。
毎日の習慣なので先ずゆったり一杯を楽しんでいた。
そこまではいつものパターンで順調だったのだが
事務員さんが速達の手紙を私に差し出した。
なんだろうとみると市内の法律事務所からの速達だった。
ふつう法律事務所からの速達など貰うと嫌な予感がするものだ。
殊に私は普段から行いが良くないからから多分他人より
余計にドキッとしていたと思う。
事務員さんも法律事務所からの速達の手紙など
気を利かせて私がコーヒーを飲み終えてから差し出せばいいものを。
そう思いながら少しドキドキしながら開封をした。
案の定良報ではない、裁判所への出頭要請だった。
元社員の事での出頭要請だった。
まあ私が悪い事をしたという事ではないのでほっとはしたが
そんなこと当たり前だよね、心配するだけそんをした。
今から2年近く前に退社しているS君絡みの件であった。
彼は会社の寮に入りながら4年ほど仕事をしてくれていた
家庭的に恵まれなく自分の居場所がないために
色々あって私のところに来ることになった彼である。
在職中は温厚な人柄で仕事も真面目に勤めてくれていた。
社員の数も40人を超すと色々な人が来る
私のカードが社内で社員に盗まれた事も有った。
その社員は逃げていたのでけっきょく警察に逮捕されて
その時は国選弁護人から減刑の協力を頼まれていた。
そんなことで彼がらみの件は法律事務所からの手紙という事で
読みながらすぐに想像はついた。
彼が2年前に会社を辞める時にはここには書けないことも
色々あって裏切られもめていた。
嫌な気持ちにさせられてもいたがそれももう忘れかけていた。
最近も有ることで手痛い裏切りにあっていた
裏切ったほうは自分に都合よい証拠だけを見せて
裏切りを自己弁護をする。
なので腹を立てた者のほうが他の人からみると悪者になってしまう。
良く説明するとわかる事なのだがもめ事の細部は他人に言えない
となるとこちらのレベルは相手と同じに落ちてまあ負ける。
黙って時期を見て動けばそれでよかったのだが
人間が甘いから先のことなど考えなく動いてしまった。
しかしそれが正解だったのかもしれない。
そんな苦い経験から今回の出頭要請は断るつもりになっていた。
弁護士の先生と電話で話していたのだが会社に出向くという事になり
国選弁護人は手当てが少ないのに大変だなとの思いになってしまった。
本人は泣いて会社に戻りたいと言っている
母親には連絡してもまったく連絡も来ない。
そんな状況を聞くと私は自ら動いて結局内容にのめり込んでしまった。
私が出頭しなければ当然身元引受人がいないという事で
懲役になるらしかった。
ここまでくると結論は出てしまう、出頭の日時を打ち合わせている
自分がいた。
経験が生きない大甘人間でもいいか、私は悪いことするわけでないし
彼の反省は伝わってきているし。
少し疲れた週の初めであった。