日曜日は、岐阜、昨日は大阪…
これで今年1年のクラスはすべて終わりました。
もう信じられないくらい、はやく過ぎ去ったこの1年。まるで映画のワンシーンのようです。
昨夜、「赤めだか」が放映されていました。
立川談春さんのエッセーですが、師匠の立川談志さんの魅力が再現されていました。
テンポが良くて出演者が豪華盤で、本当に面白かったです。
立川談志さんと言えば…
初めてインドに行った時のガイドさんが、マルカスさん。一度で気に入られたマルカスさんは弟子入りをして、「立川談デリー」と命名されました。
今はもう閉店しましたが、マルカスさんのインド料理店開店の折には一番に駆けつけ、ここにも弟子思いの談志師匠がいました。
私が企画したマルカスさんの出版記念の会にもお出ましになりました。本当に気楽な集まりだったんです。
この時、確か、新宿サンケイ学園の師範科を終えてからの移動でしたから少し時間に遅れてしまったんです。
でも談志師匠は時間前から待機しておいでで、私たちが到着した時は、ご機嫌ナナメ。いえナナメどころではなく90度くらいに傾いていて、高座でも気に入らない客がいれば追い出してしまうあの談志師匠ですから、もう困り果てました。
それなのに私は師匠の隣の席。
腕組みをしてソッポを向いている師匠に同行されていた美しい女性のことをお尋ねしました。
「この子はね。今、出演しているBSの番組で司会をしているんだ。宝塚出身で良い子なんだ」と。
なるほど若くて美しくて感じの良い女性でした。
その会話をお聞きになっていなかった田原豊道先生がやにわにおっしゃいました。
「ところで、この方はどなたなんですか?」
談志さんはどうされたと思います?
益々怒ったか?
それともお帰りになったか?
談志師匠は大物です。
「だから~
さっき言ったでしょ。この子は元宝塚で…」
その場の空気が一変しました。
談志さんは乗りに乗って冗舌になり、小噺まで披露してくださったのです。
帰りに手を振って見送る私に、おどけて「シェー」とちょっと古いギャグをしてくださいました。そうそう赤塚不二夫さんともご交流があったのでおそまつくんの「シェー」だったんです。
型破りだけれど繊細。そして愛の人。
そんな立川談志師匠を懐かしく思い出した昨夜でした。(荻山貴美子)