「今日、仕事これで終わりでしょ?
ごはん一緒に食べていこう?」
5人での収録の仕事が終わり、
二人きりになった時に、そう話かける。
「・・・ヤダ。」
と、少し間があいてから、
無表情な顔で返事が返ってくる。
「・・・えっ?」
まさか、断られるとは思っていなかったので、
思わず聞き返してしまう。
「・・・ヤダって言ったの。」
ちょっと怒った顔で、そう答える。
「もしかして、さっきの・・・怒ってる?」
先ほど収録した中でのやり取りを思い出し
恐る恐る聞いてみる。
「・・・別に。」
無表情で、顔を背けたまま
返事が返ってくる。
「・・・怒ってるよね。ごめん。」
怒っている事がわかった僕は
素直に謝る。
「知らない。翔くんなんてキライ。」
先ほどの怒った表情と違い
泣きそうな表情になり、そう答える。
「ごめん。本当にごめんね。
俺、どうかしてたよね。」
ああいうやり取りを、自分とするのが
好きではない事を分かっていたはずなのに、
ついやってしまった事を反省し、謝る。
「・・・翔くん、キライ。」
さっきまで、目も合わそうともしなかったけど
目を見ながら、泣きそうな顔で言う。
「・・・ごめんなさい。」
傷つけてしまった、そう思った。
「・・・キライ。」
小さな声で、でもハッキリと言う。
「・・・ごめん。どうしたら許してくれる?」
ただ、ただ許してもらいたくて
そのためだったら何でもしたいと思った。
「・・・。」
返事はなく、黙ったままただじっと見つめられる。
「何でもするから・・・。
お願いだから、機嫌直して。」
「・・・。」
「もう、しないから。
・・・ね。」
「・・・。」
「ごめんね。」
とにかく、傷つけてしまった事を謝る。
「・・・もう、しないで。」
うつむいていた顔を少し上げて
そう、答える。
「わかった。ごめんね。
もう、しないから。」
「・・・うん。」
小さな声で返事が返ってくる。
「ごめんね。」
そう言って、ギュッとその小さな
肩を抱きしめた。
もう、二度とこの人を悲しませたくない、
二度とこの人を傷つける事はしたくない、
そう思った。