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きらり

ありふれた日常 part10(家族げーむ)

2013-06-04 18:03:01 | 山コンビ ありふれた日常
[家族ゲームのスタッフの方のツイを読んで書きたかったやつです。 つづきものが途中なのですが…]



『……』


『……櫻井くん、どうしたの?』


『さっきから、あの写真が、女装した大野にしか見えないんですけど』







「何さっきからニヤニヤしているんですか?」
楽屋で二人。
翔さんは何やら画面を見ながらずっとニヤニヤしている。


「え? 俺、ニヤニヤしてる?」
相変わらずだけど自覚はないらしい。
「はい。さっきからずーーっとニヤニヤしてました」
まぁ、どうせ大野さん関連だろうと思いつつそう返事をする。


「嘘っ。そんなに長い間ニヤニヤなんてしてないでしょ」
本当に自覚がない人なんだよね、翔さんって。
「何ならそのニヤニヤしている姿を動画で撮っておいたので見せましょうか?」
そう言って水戸黄門のように差し出した。


「……。」
翔さんは少し自覚があったのか黙ってしまう。
「……ところで、何見てたんですか?」
動画なんて撮ってるはずないのに、と思いつつ
何をそんなに嬉しそうに見ていたのかと興味がわき聞いてみる。


「なんでもいいでしょー」
翔さんは照れくさいのかそう言って隠そうとした。
「気になるじゃないですか。見せて下さいよ」
隠そうとするとますます見たくなるんですけど。
そう思いながらしつこく聞いてみる。


「……もう、誰にも言わないでよ?」
翔さんはあまりのしつこさに諦めたのか、
本気で動画を撮られたのかと思っているのかそう言った。
「もちろん。誰にも言いません」
その言葉にしぶしぶ差し出した。


「……これって、何 ですか?」

「プリクラの機械だけど?」


意味わかんない。


「……ねぇ?」

「はい?」


その意味ありげな顔に、
嫌な予感がしつつ返事をする。


「そのプリクラの機械に写っている女の子の写真
大野さんにそっくりじゃない?」

「……は?」


翔さんはバレちゃったら仕方ないとばかりに途端に嬉しそうに話だす。


「ドラマの撮影でその機械があってさー。
最初見た時ビックリしちゃったんだよねー」

「……はぁ」


こちらの思いを気にする風でもなく
そう言って嬉しそうに笑う。


「もうとにかく大野さんにしか見えなくてさ。
撮影の間中、気になっちゃって気になっちゃって」

「……はぁ」


まぁ、女装した大野さんに見えなくもないけど。
で、それをわざわざアナタは写真におさめてきたと。
そしてそれを見ながらずっとニヤニヤしていたと。


「ね、そっくりじゃない?」

「……。」


大野さんに対して本当にぶれない人だと半ば感心しつつ
嬉しそうに語るその顔を眺めながら
まぁ、何だか楽しそうだしいいかって思った。




「ね、ニノから聞いたんだけど面白い写真撮ったんだって?」
家に帰ると智くんが嬉しそうにそう話しかけてくる。
…喋ってるし。


「え? いや、そんな面白い写真じゃないよ」
智くんにそっくりの女性モデルの写真。
どんな反応をするのか分からなくて見せるのを渋った。
智くんは頬をぷうとふくらませ納得がいかないって顔をする。


「だってずっとそれ見てずっと笑ってたって言ってたよ。俺も見たい」
そうきたかー。
智くんは見るまでは許してくれないって顔。


「……これ、なんだけど、ね」
そう言って仕方なく写真を見せる。
「……これ? 綺麗な人が写ってるけど」
その写真を見て意外そうな表情を見せた。


「キレイ? まぁそうだ、ね」

「……? 好みのタイプだったから撮ったの?」


智くんは不思議そうな顔をして聞いてきた。


「いや、まぁ、好みのタイプっていうか」

「……?」

「…いや、智くんにそっくりだなって思って」

「……はっ?」


写っているのは女性モデルの写真だからか
意味がわからないって顔をする。


「いや撮影で見かけたプリクラの機械に映ってたその写真が
女装した智くんにしか見えなくてさぁ思わず撮っちゃったんだよね」

「……はっ? 訳わかんない」

「わかんなくてもいいの」

「……?」


だって智くんがいつでも基準だから。
綺麗な人だとかそうでないとかは関係ない。
ただ智くんにしか見えなかったから気になっただけ。
智くんにそっくりだったから撮っただけ。


「智くんに関係あるものは何でも興味深いって話」


そう言うと、ますます訳わかんないって顔をする。


智くんが何かを見てたのなら何を見ていたのかと気になる。
何かを呟いたなら何と呟いたのか気になる。
智くんが笑っていたなら何で笑ってたのか気になるし
どんな顔して笑っているのか気になる。
それと同じで智くんに似てると思ったから気になっただけ。


「……変 かな?」
ちょっと不安になってきてそう聞いたら
「…うん、ちょっと、ね」
そう言いながらも満更ではないって顔をする。


“そういうところもかわいいんだよね”


ま、智くんに関係あるものというよりかは
智くんそのものに一番興味があるんだけどね。
もう長い事一緒にいるのにその思いは減るどころか
年々増してっているのが不思議なんだけど。


そう思いながら顔を見つめると、ん?って顔をして見つめ返す。


「好きだよ」

「…変なの」


智くんはそう言ってんふふっと笑う。


「好きだよ」

「…知ってる」


両手で顔を包みこみながらその言葉を繰り返すと
智くんはそう言って少し照れくさそうに笑う。

そのままその唇に唇を重ね合わせた。


「俺も好きだよ」


唇が離れるとそう言って見つめた。
その綺麗な顔を見つめる。
どんなに一緒にいても飽きない。
出会った頃からずっと惹かれたまま。
今も。


「愛してる」


そう言ってその身体を抱きしめると深いキスをした。