仕事が終わって二人でまったりと過ごす時間。
智くんは足と足の間に縦に並ぶように座り
全身を預けるように寄りかかっている。
“この時間が何とも言えずいいんだよね~”
そう思いながら後ろからその華奢な身体を抱きしめる。
「あ、そうだった。あれ見ない?」
こないだ番組でやった企画物。
智くんの発想力が素晴らしくてもう一度見たいと思っていた。
「……ん~?」
少しの沈黙の後、眠そうな声が返ってくる。
「ちょっ、さては半分寝てたでしょ?」
慌てて前側にいる智くんの顔を覗き込むと
そんな事ないよ、と言って首を傾けにっこりと笑う。
“可愛すぎるから”
「ね、あれ見よ?」
そう言ってリモコンを手に取り操作する。
「ああ、これね~」
画面が映ると智くんは思い出したようにそう言って笑った。
「うん、これ。智くんのが凄くってさぁ、また見たいって思ってたんだよね」
そう言って自分の部分をとばす。
「あ、とばさないで。翔くんのも見たい」
智くんは後ろを振り向きそう言った。
「……この時の翔くん、すごく楽しそう」
水鉄砲で遊んでいる姿を画面で見ながら智くんが小さく呟く。
「……まあ楽しかったけどね。
でもこれ絶対メンバーとやるともっと楽しいと思うんだよなぁ」
メンバーの行動が容易に想像できるようで思わず笑ってしまう。
「あんまり他の人に透け透けの見せちゃダメ」
メンバーでやったら、あいばちゃんはきっと大はしゃぎで~
にのは~などと妄想してたら
智くんが突然後ろを振り向き、めって顔をする。
「……? うん、わかった」
画面では集中的に水鉄砲を浴び透け透けになった姿が映し出されていた。
そんな事言うなんて珍しいと思いながらも
気にしてくれているのが嬉しい。
そして場面は変わり嵐についての話になる。
『歌も上手いし、踊りも上手いし、字も上手いし、絵も上手いし、
才能は誰もが認めるところだから…』
「……」
「……」
「何か、恥ずかしい…」
「俺も改めてこうやって見るとちょっと恥ずかしい」
雑誌などでは度々言ってきたことだが
こうやってテレビ画面で改めて見ると本人を目の前にして
何だかちょっと照れくさい。
「だからとばそうって…」
「……でも。恥ずかしいけど、嬉しい」
智くんは照れたようにそう言う。
“カワイイ”
まあ、ずっと思ってきた事だし何度も伝えてきている事だけど。
そう思いながら顔を見ると顔が真っ赤になっている。
“カワイイ~”
「ずっと思っていた事だし。それに智くんがリーダで本当に良かったと思ってる。
それにここでは最近って言ってるけど、本当はずっとそう思ってる」
そう言って後ろからギュッと抱きつくと耳まで真っ赤になる。
“可愛すぎる”
“って、智くんの発想力が見たくってつけたハズだったのに、この展開って”
あまりの可愛らしさに我慢できず
身体をずらすとそのままその身体を優しく押し倒す。
そして、え?って顔して見つめるその綺麗な顔を上から見つめる。
「智くん、好きだよ」
誰よりもできる人なのに、その控えめ過ぎる位のその性格のせいで
勘違いしている人が多いという事は分かっている。
そしてそこがこの人の利点ではあるのも分かっている。
でもその才能を知る過ぎるくらい知っている自分にとっては
少しもどかしく感じてしまう時もある。
でも。
あなたが嵐でいてくれてよかった。
あなたが嵐のリーダーでよかった。
そう思いながらその綺麗な顔に顔をゆっくりと近づけると
目が閉じられる。
そのままちゅっとその唇にキスをした。
「俺も翔くんが同じグループでいてくれてよかった」
唇が離れると、まるで心の中を見透かしたように上を見上げそう言う。
「愛してる」
その存在すべて。
もう一度ゆっくりと顔を近づけるとそのまま深い深いキスをした。