TATSURO SHIBUYA + ARCHITECTURE LANDSCAPE DESIGN STUDIO

アーキテクチュアは建築、ランドスケープは景観。風景を生かす建築環境デザインに取組んでいます。

【大磯/通り土間の家】お引渡し

2017-03-25 21:44:41 | *通り土間の家/大磯
神奈川県大磯町で取組んでいた旗地の住宅、本日無事にお引渡しいたしました。


狭小地という敷地のポテンシャルを吹抜け空間を連続させることで高さ方向に生かした住まいです。


外構や植栽といったランドスケープの残工事は若干ありますがひと区切りです。
ご縁を頂いた建て主さま、実現に向けて協働頂いた施工チームの皆さまに心より御礼申し上げます。ありがとうございました。


玄関から通り抜けできる土間、土間から2階の主室(リビング・ダイニング)、さらに主室から屋上テラスへと吹抜けが縦方向に立体的に連続しています。


空間をゆるやかに分節しつつも、全体として大きなワンルーム空間になっています。










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西根の家(山形県長井市)が第37回東北建築賞作品賞に内定いたしました

2017-03-16 19:23:50 | Prize


このたび、「西根の家(山形県長井市)」が第37回東北建築賞作品賞に内定いたしました。
自分の山の木を使って家を建てるという現在では稀有なご縁を頂いた建て主さま、施工いただいたマルニ建工さま、設計協力いただいた大類真光さま、このプロジェクトにかかわった多くの方々に感謝申し上げます。自分の生まれ故郷で取組んだプロジェクトがこのような名誉ある賞を頂けたことは、嬉しさと同時に身が引き締まる思いです。今後の励みにしつつ、「風景が生きる建築づくり」に引き続き取組んで参ります。

https://www.kensetsunews.com/archives/28845

西根の家
【 所 在 地 】山形県長井市
【設計監理】渋谷達郎+アーキテクチュアランドスケープ一級建築士事務所
設計協力:大類真光建築設計事務所
構造:鈴木啓/ASA
【施 工】㈱マル二建工
製材:㈲渡部製作所
電気:㈲手塚電気
機械:㈱遠藤設備
建具:㈲齋藤木工
木製サッシ:アルス㈱
暖房:渡辺ヒーティング㈱
左官:原田左官工業所
内装:㈱尚古堂

東北建築賞作品賞は、東北地方においてその建築文化や環境形成の向上に貢献し、地球環境時代に相応しい優れた建築作品を顕彰することにより、東北地方における建築水準の発展に寄与し、学会と地域社会との交流を図ることを目的とされております。

(審査講評)
この住宅は、現代における雪国の農村集落における住宅のあり方をシンプルに体現していることが評価されました。除雪の負担となっている長い引込み道(序口)を短くし、前面道路と平行に建物を構えることで、伸びやかな屋根の姿が強調されています。外装には杉板が貼られ、杉材の縁側も軒下の心地よい風景を作り出していす。前面道路からの視界は、盛土によってほどよく遮断されていまが、垂木が表しになった室内からの空間的な広がりは十分に確保されています。建具の納まりがディテールまでよく検討されていることも評価されたポイントの1 つです。加えて、この住宅にはペレットストーブや地元メーカーの木製サッシが採用されていますが、冬季の温熱環境やコスト、夏季の風の抜けや開け放たれた窓辺の風景など、適切に考慮されていることも好感が持てました。ストーブ、木製サッシ、散水消雪システムは、設計者が過去の数々の住宅設計でも試行錯誤しながら採用してきた経緯もありますが、西根の家はその集大成のような位置付けであるようにも感じました。
http://news-sv.aij.or.jp/tohoku/kentikushouhtm.htm

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【大磯/通り土間の家】街なみに馴染む建築

2017-03-15 09:54:34 | *通り土間の家/大磯
神奈川県大磯町で取組んでいる住宅。

だいぶできてきました。


新築なのにどこか懐かしい、鄙びた感じの外観。




内部は土間から屋上まで連続した吹抜けによって、狭小地の息苦しさを感じさせない明るく開放的な空間となっています。




断熱気密をしっかりおこない、雪国仕込みの性能を担保しています。

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雪の座布団のような、プライバシーを担保するマウンド

2017-03-01 09:16:41 | *西根の家
西根の家の冬の様子。

けっして雪に埋もれている訳ではありません。。
残土を活用して築いた土のマウンド(土手)。通りからの視線をカットしてプライバシーを確保するために計画しています。

西根の家は、このエリアの集落の建ち方に習って、東面して建っています。(西から強風がふくため)
冬の限られた日射を最大限取り込むために、リビングダイニングは間口5間(約9m)の大開口を計画していますが、大開口を成立させるためにマウンドというランドスケープ的な手法でプライバシーを担保しています。

だいぶ雪は減ってしまいましたが、今年はそこそこ降りました。
一晩で1m積もることもこのエリアでは日常です。


屋根は切妻ではなく、寄棟。
勾配は、建て主さんや大工さんなど地元の方々にヒヤリングして、確実に落雪するという三寸五分。(落雪勾配はエリアによって異なります)
積雪荷重2mという豪雪地域であるこのエリア。
屋根を寄棟にすることで一箇所に集中せずに雪を分散して落雪することが可能になります。
落雪した雪は、井水を利用した散水消雪で雪かき不要にしています。

寄棟は切妻に比べて、圧倒的に技術を要する屋根のかけ方。特に今回はプラン的な制約から45度ではない角度でひらいた寄棟になったために、施工の技術力が不可欠でした。一見すると単純な寄棟のように見えますが、地域の職人さんたちの優れた技術があって、初めて実現できた建物です。

自分の山の木で家を建てる。集落の建ち方に習った建築の配置。雪と生活との関係性。などなど
都市部では失われつつある建築と自然との関係性が、まだこのエリアでは微かに残っています。その糸口を丁寧に紐解き、形にする。そんな滋味な建築が好きです。

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