さて、先週のエポックは…といえば、9月13日の拙ブログ、Song For Weddingで紹介したmomoちゃんが結婚を控えたお友だちと一緒に訪れてくれた。手にいっぱいCDを携えている。さっそく結婚披露宴のためだけのベスト・アルバムをこしらえるためにリッピングを始める。
"I'll make love to you"から始まる彼女の選曲はため息がでるほど素晴らしくうっとりしてしまう。盛り上がりに欠けるのでは…、といぶかるほど優しく、静かな曲が多い。けれんなど微塵も見られず、清潔な透明感に包まれる。しかし、愛の歌としては、強い、強い。お人柄だろうか。
Your Songs、いやこの場合は花嫁のMy Songsか、聴き入っていると不思議なことに彼女やmomoちゃんの過ぎこし方が透けてくる気がする。青春に光を投げかけてくれた楽曲であり、辛い日々を乗り越えさせてくれた曲でもあり、自分を励ましてくれた歌なのである。夕焼け空を眺めながら聴いたに違いないそれらが新婦となるAさんの人生を物語る。名前は出てこないが某局のニュースキャスターを思い起こさせるエキゾチックなマスクにふさわしい珠玉の名曲たち。均衡のとれた高い感性で、職場で誰からもスペシャリストとして認められたであろう姿がほの見える。
音楽は人生だ。クラプトン、ビリー・ジョエル…と、ぼくたちオヤジが聞き流していたとき、彼女にとっては思い入れを強くする一瞬があり、余人には想像もできないシーンがあったに違いない。毅然と立ち、背中に刺さった矢を引き抜く痛い思いを歌が癒してくれたはずである。すべてで22曲。2枚のCD-ROMに丁寧に焼きこんだ。
今どきの花嫁となる女性たちは…、
確かな自分を持ち、スペシャリストとして、エキスパートとして、日々研鑽に務め、自己実現に懸命に励んできたひとたちである。
そんな彼女たちのハートを射止めるには並大抵のことでは敵わないだろう…と、今どきの男どもに同情を覚える次第である。情けないことに、
「ぼくはよくぞ結婚できたものだ」
と己が人生を振り返っている。正しく言えば、
「結婚してもらえた」
が、正しいのかもしれない。とても勝ち目がない勝負から掴んだ幸運に思えて仕方がない。小さな自分がいる。
無線LANが繋がらない腹いせに、LANカードを叩きつけてぶち壊すなんぞは、いくら
「結婚したい」
と望もうと、とても考えられない、ほど遠い行動であることを知るべきである、Tよ。武士の情けでイニシャルにしておく。
今、教室で流れている曲がそれらだ。縁起ものなのでお許しを得たらお裾分けしたいと思っている。トラック04とトラック17って何やったっけ? 喉もとまで出掛かっているのやが…。