hyperclub

パソコン教室アイラブハイパークラブです。
教室に流れるBGMなどを紹介します。

マリアージュ・フレール

2006-09-14 23:45:29 | 音楽

 実は、ぼくの紅茶体験というと、きわめてチープであって、だから、その分、珈琲に傾いている。そもそも喫茶店で美味しい紅茶にありついたことがない。と、これはあくまで主観だ。ぼくにとって、ということである。

 学生時代だったか、どうしても女性に迎合しがちな小心者の自分が居て、誇らしげに、

「ここの美味しいでしょ?」

なんぞと決めつけるように尋ねられ、その場では、

「うん。」

と即答するものの、心底納得できないでいた。

 まあ、こんなこと書くと…、娘にシバキ倒されるかも知れない。というのも、雑誌類を読み漁り、ぼくのために紅茶の道具類を買い求め、毎朝ぼくのために淹れてくれるのが彼女だからだ。研究も重ねており、湯の温度やタイミング、実に面倒な手間暇をかけて心を砕いてくれている。しかし、ぼくが淹れる方がうまい、と言ってみるテスト。

 茶葉の問題か、いや頂きものもあるから、こんなこと書くと皆を敵に回しそう。きっと…、保存か、保管が不適切なのだろうか。う~ん、どうオチをつけよう。

 そうだ、メンテナンスのため、Tさんちにお邪魔したときにいただいた紅茶が忘れられない。香りが素晴らしくて、甘い薔薇のような香り、色も淡いピンクだったかも知れない。で、口に含むと先ず舌先に柔らかく沁み、静かに、まろやかに微かな甘みが口中いっぱいに広がる。まるでころがるよう。その甘みはくどくなく、爽やかで、後には残らない。きっと彼女の瞳にはぼくの目が点になったのが映ったと思う。色と香り、そして味も薔薇の味。まだ喰ったことないけど。こう書いてみると、何かTさんちへの訪問(希望)者が殺到しそうだなぁ。

 後日、銘柄を訊いた。彼女のお気に入りだそうで、マリアージュ・フレールという。舌を噛まないように。原産国はフランス。お店にはかっこいい男性店員ばかりで、安易な大量販売はしないらしい。格式も高いようで、彼女は結婚式のお祝いに最適だと言う。また、引き出物としてのセットもあるみたいだ。

 己の無知を痛感するが、マリアージュ・フレールを知っているのがそもそも凄いとも思う。こうしてぼくは、毎日、学んでいる。サラ・ヴォーンの「Yesterday」が紅茶にぴったりだ。