ツアーの一日目の宿は熊野川の支流・大塔川沿いの川湯温泉。
昔、青年の夢に現われたカワガラスに誘われて上流に行くと河原に湯気が立っていた。
カワガラスが水浴びをするところを掘ってみると温泉が出てきた。という伝説のある温泉だ。
今も河原に露天風呂がある。到着が遅く出発が早かったので入れなかった。
カワガラスはいなかったが、セグロセキレイが河原を飛び回って、何やら捕まえていた。
二日目は川湯温泉からさほど遠くない熊野本宮大社に向かった。
熊野本宮大社は熊野三山(本宮、速玉、那智各大社)の中心で、全国3000社以上の熊野神社の総本宮だ。
主祭神は素戔嗚尊(家津御子大御神)、本地仏は阿弥陀如来の神仏習合。幟には熊野大権現と書かれている。
大鳥居からの参道に続いて階段を上がっていく。
神門をくぐると檜皮葺の四つの社殿がある。
元は近くの大斎原(おおゆのはら)に上四社、中四社、下四社とあったが明治22年に大水害があり、
倒壊を免れた上四社が当所に移築された。
手前から第一殿、第二殿、第三殿、第四殿と並んでいる。
第一殿の祭神は伊邪那美大神(夫須美大神)、第二殿は伊邪那岐大神(速玉大神)で、建物は一つだ。
第三殿の祭神は当社の主祭神である家津美御子大神(素戔嗚尊)だ。
その右隣、第四殿の祭神は天照大神。
参拝は第三殿、第二殿、第一殿そして第四殿の順で行うものとされている。
神門の大注連縄の上には干支の絵馬を挟んで二つの注連縄がある。
この注連縄は八咫烏(やたがらす)を模している。
八咫烏は太陽の化身で三本の足があり、家津美御子大神(素戔嗚尊)に仕えている。
神武天皇を大和の橿原まで先導したという故事にならい、導きの神として信仰されている。
サッカー日本代表のユニフォームの胸のエンブレムにも描かれている。
早朝で参拝者も少なく、身が引き締まる思いがした。