どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

雑感・原発問題

2012-06-21 02:42:15 | インポート
大飯原発が再稼働する。これに対する批判は多い。実際1万人オーバーのデモが東京で起きたようだが、国内報道がほとんどなくてこれはこれで問題になっている。日本の報道体制もおかしいが、彼らが躊躇する意味がよくわかる。
最大の問題点は、究極の相対化が起きたと言う事だ。1かゼロばっかり報道していた日本の報道では扱えない素材だ。
実は放射能問題は確率が高いかどうかと言う側面がある。つまり放射能物質が多い所でも長生きできる可能性がある。しかしそれが誰でもなると言う訳ではない。その中では誰もが絶対を求める。
絶対安心。
これこそが最も怪しいものだと言うのが、私の考えだ。
なぜ報道はそれを判断できないのか、これは新聞社が行政ベッタリだとかイロイロある。責任問題もある。なのでしゃべれない事が起きる。
社会はグレーゾーンで出来ている。報道と言うのはそういった状況でのものだ。しかしそうなってはいない。間違っては行けないからだ。
間違っては行けない、これは大きい。報道は確かにそうだが、よくよく考えると人にミスがあるかどうかということかもしれない。現場の記者の取材にミスがあるかもしれない。だからデスクは勝手に原稿をいじる。それが嫌なので記者は絶対安全なソースしか使わなくなる。結果重要な情報の取りこぼしが起きたり、政局報道みたいに過去の事例になぞらえた型ものしか流さなくなる。
なおチェルノブイリだが、これを未だ持って個人のミスと信じている人がいるがこれは間違いだ。国家的なミスだ。ミスをした若者は、国家からの実験手順書通りに作業していただけだ。
私は人は間違う可能性がある限り、システムでフォローしつつも絶対安全だけはないと、覚悟して望むのが正しいと思う。単純な絶対安全ばかり求めていたから報道も原発も腐って行ったのだ。

現時点では原発行政の中にそういった方向性が生まれつつあると思う。過去のあの超不透明な原子力行政より透明性は上がっている。それでもまだまだに感じるのは私だけではないだろう。
なぜそうなるのかと言えば、政治が悪いととか官僚が悪いとか原子力ムラがとなるのだが、少し違う。まず日本の政治と官僚は調整能力しか持っていない。特に官僚は根本的に政治的な判断は出来ない。そして原子力の最大の受益者は電力会社なのだ。こことの調整が全くうまくいっていないからダラダラと遅れているだけだと思う。例えば建設後40年の原子炉を廃炉にすると言う方針は誠に正しい。しかし電力会社の使った大規模な修繕でのびているハズの減価償却年限には合わない。当然電力会社は法人税の優遇処置や減価償却の前倒しに伴う電力料金の値上げまでいうだろう。しかし政府としてそれは出来ない。


話しはおなじラインで大幅にずれるが、自分のお客さんってだれだろうという悩みが起きている。あなたのお客様ははダレ。この質問から個別な人の顔を思い出す事は出来るが全体でどのような趣味で指向を持ち、何を好んでいるのか、実は知らないと言う事を突きつけられました。特に本当はどうかとなれば。余りにも相対的すぎて解りません。
個人的な仕事でもそうなのですから、国家や国家を支える電力会社は解らないでしょう。それでも彼らが解っていなければ行けない事がある。みんな安くて使い勝手のいい電気は欲しい。しかし原発からの電気は不安で嫌だという事だ。
しかし再生エネルギーで太陽電池の買い取り価格が42円と一旦試算された結果、電気料金の値上げは今現在より更に必至になった。この時点で話しは終わっている。原発に関しては、これはいっちゃあなんだが、イマサラながらの活断層問題が浮上している。これは本当イマサラ。これを今書く新聞は、自分たちは学級新聞です、と言っているようなもの。
この状況での大飯原発の稼働は(あえて再稼働と言っていない)、私にとってはなかなかに味わい深いものだ。
昔IT化が進むとペーパーレスの時代が来ると言われたが、逆であった。特にこのところ情報が多すぎるのでそんなに紙は減らせられない。これは特に日本人がモニターに写っているものは幻影であり実態である紙でないとダメ、みたいな所がある。実態でないものは理解しない。
電気は確かに触るとビリビリ来るが、それはイヤな経験だ。2度とは同じ事をしないだろう。だがインターネット接続だったらどうか?アンケート調査で停電で最も困るのがインターネット接続なのだ。これがいかに電気喰いかは誰もが知っている事だ。
さてそういった快楽とビジネスは制限していい。そうも考えている。だが電気が無いと生活が難しい人もいる。例えば障害者はそうだ。実際東京都での輪番停電や極端な節電で視覚障害者が不便な思いをした。
いろいろあるがはしょって、徹底的な節電で脱原発を出来ると言う考えは、実は健常人の考えだ。

さて原発の稼働問題だが、これから10年はダマシダマシ運用するしか無い。確かに活断層が近い所にあったり津波に弱いものもあるだろう。ただ確率的にどの程度あるのかは予想できないが、対策は出来る。徹底したマニュアル作成とその作業徹底も可能だ。
これらを徹底的に開示する事が大切だ。

最後にスカシ屁をかましておこう。我々は簡単にギリシャを批判する。しかし原発問題に関しては全く同じだ。

PS
日本の原発の特徴なのだが、運用でのコンピューターの関与が低い。これは福島第一のコントロールルームの写真で十分だろう。モニターだらけのJAXAとは全く違う。実はコンピューターを使った原子炉は世界各国にあるが、日本はこれを選択していない。
この理由はよくわからないが、伝統的なオペレーションがあるからそうなっていると言うのが大きいだろう。ただ現在ではコンピューターによる自動制御をハッキングされたケースが起きている。代表例がイラクの各濃縮施設だ。
実は日本の原子炉制御でコンピューターを最小限にしている意味は大きい。いや、とても大きいと思う。
人間を鍛えてコンピューター依存を減らした方が、今後のグローバル化には安全では正しい。だがヒューマンエラーをなくすようコンピューターで徹底制御させた方がいい。この矛盾がある。
結局原子力みたいなエネルギーは、平和を持続させないと難しいと言う話しになる。
いつ動くかよくわからない活断層には対応が可能かもしれないが、それには大地の平和が必要だとなる。
最も大切な事だ。