3月8日
「響」の場所を書きましたので、位置関係をお求めの方はそちらをどうぞ
昨日は雪だった。メレンゲクッキーの粉のテストもあったし、ググロフもどきも作らなければいけない。泳ぎに行こうと思ったのだが、それもちょっと時間が足りない。そこで緑が丘の新しい喫茶店「響」に行く事にした。なにしろキーコーヒーに勤務して、トラジャコーヒーの2代目の営農者でもありバイヤーでもあり、そしてテイスターでロースターでもあったと言うとんでもない経歴の持ち主。かなり上の役職だったのではないのだろうか。早期退職でたまたま盛岡に店を開く事になった。
で、盛岡の自家焙煎コーヒー屋ではかなり噂になっていたらしい。そりゃそうだ、本当のプロが登場したのだ。もちろんプロは何人もいる。でも全部を知っているプロと言うのはそうそういない訳だ。
最初にケニアを頼んだ。ABランクと少し低いのだが、飲んだ瞬間ガツンときた。強い酸味と柔らかな甘さ、そして苦みと香りが立体のように絡み合って舌の上に空間を造ってゆく。その形がどんどん大きくなり城のようになったのだ。そして飲み進むに連れて温度が変化しバランスも変化し、形がどんどん変わってゆく。ウワっと思って、ブラジルの深煎りを頼むと今度は極めて重層的に香りと苦みと甘さが漂い下に少し酸味を残る。河口に近い海に潜った時の皮膚感覚がよみがえる。それでいて安心につつまれてゆく。
ガテマラを頼むと、今度はカテドラルが、あの南米の巨大で複雑なゴシック様式が立ち現れてくる。
凄いの一言だ。味が立体になって迫ってくる。雑味はほとんど無くもの凄く切れ味のいいのだが、余韻が深く残ってゆく。所が一切変わった所は無いのだ。ただ単にうまいコーヒーなのだ。家に帰ってから舌に残った味を思い出して行くと、過去に飲んだ美味しいと言われているコーヒーの味がどんどん思い出されて来た。そう「響」のコーヒーは究極のスタンダードなのだ。
過去に飲んだ味を再現させる事が出来る。あそこでは苦みと甘さがこんなバランスだったとか、ここでは酸味をこう作りたかったのだがうまく出来なかったとかが見えてくるのだ。今までバラバラだった記憶が一つにまとまってゆくのは凄まじい体験だった。スタンダードと言われて来た、神がかったランブルでもなく科学をまとうバッハでもない、本当のスタンダードなのだ。
過去に飲んだコーヒーが否定される事無い「響」のコーヒーは、コーヒーのど真ん中なのだと思う。ただそのど真ん中を極めるのはかなり難しい訳で、それが出来ると言うのが実際凄い事なのだ。
オーディオも凄いしそれにあわせた建物も面積に対しての客席数の少なさも凄まじい。そうキーコーヒーは喫茶店の営業指導もしていたので抜かりの無い内装です。そこから少しずらした所もたまりません。
定休日は水・木で、営業時間は11時から20時までです。
この日はサウジアラビアのアブドラ国王が亡くなった。サルマン皇太子が継承するが、皇太子も79歳だ。次の皇太子も決まったが、正直な所サウド家は巨大すぎる。このまますんなりいけばいいのだが。
今のこの時点で、アブドラ国王が亡くなった意味は余りにも巨大だ。
幸せな時間で誤摩化した。とはいえコーヒー三杯は後から効いた。寝付けなくて困った。もちろんあの味の興奮もあった。
そして今日はそれでも早くに目が覚めた。ゴミを出してトーストを食べた。かなり飲み過ぎたようだ。ラジオもかけないでいた。メレンゲクッキーを一ロットつくって、メールマガジンを見ていた。
石原慎太郎が産経に書いた記事が面白かった。
「要約すれば、数世紀続いてきた白人の世界支配がようやく終わろうとしている今、新しい宗教戦争が始まろうとしているのだ。」
我田引水しようという気がする。本質1割です。
「警察の捜査が湯川さん・後藤さんの危機的状況を引き起こした」ジャーナリスト常岡浩介が会見。BLOGOSの記事です。ここでは北大生私戦予備・陰謀罪問題で事情徴収されたのですが、その結果パソコンから全部押収され、結果情報提供者のリストを失い、正確に言えば全部破棄したし提供者にも破棄を連絡した。盗聴防止のためだ。そういったことで実は手だてが限られているが、それでも交渉出来ると訴えている内用だ。
だが実際彼らに外務省は連絡しなかった訳だ。理由は簡単だ。私戦予備・陰謀罪関係者と見なされているからだ。法的に渡航は無理なのだ。そしてそれを超える措置をしても確実に時間的に無理だっただろう。そして後藤さんのように経験豊かなジャーナリストでも、多分売り飛ばされた可能性がある。どうもトルコ国境で、越境して来る人の情報を売る商売があるようだ。実は常岡氏が会見の中で、湯川氏はイスラムに改宗しておりイスラム法では改宗したものは過去の罪に問われないと言う原則がある。だからこれを使えば可能性がある、と考えていたようだ。後藤さんもそう考えていたと思われるが、湯川さんと後藤さんに接点があると言う報道を彼らが見つけた可能性はある。
その上での外務省の考えは、ありとあらゆる可能性があったとしても、新たに人質が増えるのは避けたいと言うものだろう。そしてそれが外務省の人間だったらともかく外部委託した場合には目も当てられない。だから使わないルートなのだろう。そしてここからが重要なのだが、彼に対してISISは湯川さんは処刑の対象にならないと言っていたのが、急転直下で変わった訳だ。だからこのルートの実現性はかなり薄いと言う事だ。トップが急に作戦を変更したと考えられるからだ。
残念ながら外務省の考えは正しい。
ゆぴあすに泳ぎに行った。だが65歳以上無料開放デーだったようだ。おまけに水泳教室が2本時間をずらしてある。ちょっと真面目に泳ぐのは無理だということで、全速力のみで泳いだ結果1000メートルも泳げなかった。その後どんどこ人が来る訳で、泳ぐのは止める。
ISISが死刑執行のカウントダウンを始めたと言うニュースを、ロビーのテレビが流していた。
またしても「響」にいってしまう。理由は逃げるためだがもう一つ、彼がイスラムと触れていたからだ。だから私の心を傷つける言葉は決して出ない。
コーヒーの話とイスラムはつきものだ。ジャコウネコに食べさせたコーヒーの話(アメリカでは動物虐待に当たると輸入禁止になった)から始まって、私がゾウに食べさせて糞からコーヒ豆をとる話をしつつ、その中東では原始的なコーヒーはどうだったかという話になった。イエメンではチェリービーンズをただ単に乾燥させたものがありそれが時によってはコーヒー生豆より高価になったりするそうだ。
「インドネシアのように緩やかなイスラムだったら」
そのイエメンでは、現在大統領宮殿がシーア派のホーシ派に占領されて大統領が辞任した、イエメンはスンニ派の政権だった。だがここでまた良くわからない事に「アラビア半島のアルカイダ」とISISが争いはじめている大混乱がはじまった。
「それでもコーヒー豆は出てくるのですよ」
恐ろしい一言が出た。そしてそれは正しいのだ。これこそが過去に植民地支配があった世界でのモノカルチャーとコモディティ市場そのものの姿だ。ガルシア・マルケスの世界が広がってゆく。
ブラジルの浅煎りの、柔らかさにつられてゆくと森の中の小さな教会にたどり着く。それをデミタスで飲むと輪郭が明快になってゆくが、その教会が何かが更にわからなくなってくる。そうこのまったり感が濃厚になるだけで更に謎につつまれてゆきます。
ああ、逃げまくっています。常岡氏がいう通りに殺害予告があった人はほとんど死んでいます。ほぼ最終通告的な意味合いです。だから逃げて逃げて逃げています。
BLOGOSの記事で後藤氏の母の会見全文があります。なお国内報道は会見ではなくブリーフィング用の文章を使っていると言うのが特徴です。理由は、会見では母全面だしだからです。でもこれは全く無理がないのですが、どうも親戚から会見するなと妨害があったようで、これまたJAPANですな。でもそれ以上におかしいのは、どうも息子と関係が悪かったと言う事なのだと。
「昨日健二の妻である嫁と初めて電話で交信いたしました。聞きますと、2週間前に赤ちゃんが生まれたそうです。私はびっくりいたしました。生まれたばっかりの2週間しか経っていない子どもを置いて、なぜ遠い所に行ったのですかと質問しました。 」
うん。母だ。思いっきり母だ。あり得ないくらい母だ。
だから親戚が反対したんだろう。嫁姑問題を超えて、孫誕生をガン無視していた訳です。2週間。義絶状態だったと考えてもいいのではないのかと思います。
でもこの「母」の錯乱っぷりは見事です。正しく母です。間違いなく彼女を否定するのはおかしいくらいの母だから許される錯乱です。
こんな女になりたくないと思うアナタ!母になったら解る。男は母の恐怖を知り尽くしている。その意味すらも知り尽くしている。
バーチャル母でもある。
この錯乱しつつ一貫した所もある会見なのだが、ただやっぱり人情で訴えなければいけない。だから外国人あいての会見だと思う。突っ込みどころ満載の会見だと思うが、これは世界に当惑されながら伝わったと思う。
何らかで義絶した関係なのだろうから本当は問題がある。
ただ、母は錯乱する。そして岩も動かす。
そして中国からISISにいった人がいるとかなんとかそう言ったニュースが溢れている。今流行のニュースであり、かんじんかなめな情報は一切無い。
2月23日追記
「響」の場所を書きましたので、位置関係はそちらをどうぞ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます