昨日の雨は上がったのですが、西高東低の気圧配置になりました。おかげで寒い一日になりました。それでも予想最高気温の8度より高い12.3度まで上がったのですが、風がとても強く自転車が止まるほどでした。
その中で白梅の蕾が膨らんで来ました。
昨日アメリカのユナイテッド航空の、乗客引き摺り下ろし事件を書こうかなと思ったのだが、長文になるのでやめていた。だがアジア系の乗客なので人種差別として中華系の人たちが騒ぐんんじゃないかと思ってたら、そうなった。まずは事件のおさらい。
アメリカの航空会社は乗車率を上げるために、当日キャンセルを見越してオーバーブッキングの状態で運営している。万が一キャンセルがなかった場合航空会社は別な便とホテル代を用意する。それでも誰も降りたがらなければ謝礼を用意する。今回は800ドルを提示したが誰も降りようとしなかったのでランダムで乗客が4人が選ばれた。3人は同意したが、一人が拒否した。これが主人公の中華系ベトナム人デイビッド・ダオさん。
「米運輸局のレポートによれば、昨年アメリカで予約していた航空便を取り消された人は50万人近くに上るが、そのうち強制的に(非自主的に)取り消されたのは約4万600人。昨年の米航空会社の全乗客数は約6億6000万人なので、強制的なケースは1万人あたり1人未満(0.62人)という計算になる。」これが一般的なもの。予約を取り消された乗客の8%が強制的に降ろされた。ユナイテッド航空の場合は、「約6万300人が同社の航空便取り消しに遭い、うち3765人は強制的なケース」なので6%と実は低い。
これらの数字はニューズウイークの「ユナイテッド航空「炎上」、その後わかった5つのこと」記事からだが、実際問題は多い。
「2014年9月のことだ。IBTの報道によれば、当時、航空会社が乗客に課す各種手数料をもっと開示せよという提議がなされており、ユナイテッド航空は反対を表明する意見書を米運輸局に提出。その中で、「航空券を購入したすべての乗客は追加料金なしで座席を割り当てられる」から、座席割り当ての手数料を開示するルールは必要ないとしていた。」
確かにユナイテッドは平均に比べれば強制排除はしていないが、航空券を購入した人を全て載せていたわけではないという、政府に対する道義的問題が起きている。
その上、社員を4人乗せるために4人を強制的におろしたのだから、さらに問題になる。今のところなぜ緊急的に社員を4人載せたのかの理由が開示されていない。
中華系の人たちが人種差別だと騒ぐだろうというのは予想がついた。そしてそうなったのだが、理由がものすごく複雑だった。そして中華ではなく中国人が騒いでいるのだ。
確かに人種差別だと思う。だが中国人はもう少し複雑な見方をしているようだ。ニューズウイークの「ユナイテッド機の引き摺り出し事件に中国人激怒、の深い理由」に書かれている。
「そうした人種差別を非難する声の一部には、あまり快くない言外の意味が隠されている。アメリカに住む中国移民のコミュニティーの一部では、問題を白人中心の権力構造のせいにするのではなく、黒人が優遇されているせいだと非難する傾向がある。そうした傾向は、中国本国の国民にも広く浸透している(アメリカに生まれ育った中国系アメリカ人は概して、アメリカの黒人問題の根深さをもっとよく認識している)。」
アファーマティブアクションの問題、つまりは大学進学や政府登用を様々な人種から登用しましょうといういい考えが、中華系に限っては逆に作用してしまっているのだ。つまりだ、成績が良すぎるのだ。成績だけだと大学が中華系ばかりになるのではないのかという勢いで、アファーマティブアクションの制度が崩壊しかねない。なので相対的に黒人やヒスパニック系が優遇されているという問題がある。
「そうした憤りには、アフリカ人やアフリカ系アメリカ人に対する軽蔑も混ざっている。彼らは文化的に遅れていて、貧困もみずから招いたものだとする見方があるのだ。この世界観からすると、間違っているのは人種差別ではない。差別の階層のなかで、中国人を少なくとも白人と同等と認めるべきだ、と言っているわけだ。」
「こうした考え方は、19世紀後半の中国(清時代末期)の改革家でユートピア哲学者の康有為にさかのぼる。康は「白色人種と黄色人種」が手を組み、黒や茶色の人種を圧倒して根絶するべきだと呼びかけた。」
中国人がなぜか知らないけど黒人を差別しているのは知っていた。まあそれはアフリカから文明が生まれなかった(正確にはエジプトもアフリカなのだが、なぜかエジプトはアフリカと見なされずに地中海ヨーロッパのくくりになるのも、思えば不思議だ)という考えがあるのかもしれない。ただ白人と対等であるべきという考えはわからない。
それではなぜこの話題が中国本土で騒ぎになるのかといえば、以前フランス警察が中国人男性を射殺した事件があり、それは人種差別だと騒ぎになっていたのもある。だがそれ以上に、中国の体制派が騒いでいるというのだ。中国の警察に当たる城管のほかに、民間警備員の「保安」の暴力事件が多すぎる。それを改革派は「アメリカではそんなことはない」と言っていたのだが、それが今回アメリカでもあるし人種差別だとなったわけで、要は政権にとって都合のいい事件だったという話だ。
さてアファーマティブアクションでなぜ中国人が嫌われたのかといえば、どうも面白くないからだ。成績優秀で入学しても全然伸びない。そちらがかなり効いていると言われている。入試対策だけで入学して、勉強もできるのだが新しいことを作ろうとしない、いやこれは言い過ぎで現実的にアメリカの大学や企業でクリエイティブに活躍している中華系の人材は多いのだが、そういった天才はともかくとして、何かアメリカ人の考えていることはわかる。
真面目すぎるのだ。アジア人は。キリスト教徒は許されている分、可能性を追求する。
アメリカのシリア攻撃に関する記事で、中国に対する恫喝という記事が当初少なかったのは意外だったが、二日経った頃からボチボチ増えてきた。ただこの攻撃に対しては継続的なものでないようなので全く支持しないし、三鳥一石のようなやり方は鳥二羽に手を結ばれたら一気に瓦解するので、無意味だと思う。さらにイスラムから見たら最悪なのだ。実際この地域の複雑さを簡単に解決できるのなら、もうすでにできているのだ。それを北朝鮮問題に絡めたのは間違いだと思う。
ニューズウイークの遠藤誉氏の、米中電話会談の考察がいい。
「初日の晩餐会でうっかり(容認するような)回答をしてしまったことへの深い反省と、「あれはミスだった。真意を話させてくれ」という電話だったのだと理解していいだろう。そうでなければ、首脳会談終了後、わざわざ「お礼の電話」などしない。」
ただあのミサイルが単なる思いつきだったら?という恐ろしい記事もある。ニューズウイークだだ。
「イバンカの実弟エリック・トランプが英テレグラフ紙に語った。エリックは言う。「イバンカは3人の子供を持つ母親で、大きな影響力を持っている。彼女はきっと『聞いて、こんなのひどすぎる』という具合に言ったと思う。父(トランプ)は、そういう時には動く人だ」
三鳥一石の危うい政策より、決定した動機がひどい。まあ決定した時のブリーフィングは全て映像資料だというウワサもある。そこには操作が可能でもある。誰の決定なのかが本当はわからないという問題がある。
真夜中に雪が降った。積もらなかったが吹雪だった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます