山形県医師会主催の死体検案研修会を聴講してきました。
私は、警察から検案依頼が来た場合、基本的に断らないことにしていますが、ここ半年依頼が来ていません。
近くの開業の先生方が対応しておられるのでしょうか。
検案で呼ばれるケースは、家族と同居している場合には、起きてこないので寝室に行ってみたら死んでいた。独居の場合には、連絡が取れないので行ってみたら死んでいた、など
の病死が多いのですが、自殺もときに経験します。自殺は縊死が多いようですが、先日割腹自殺例の検案を経験しました。また、事故では、雪に埋もれた腐乱死体や車の下敷き例
などもありました。
いずれにしろ死体検案が必要な事例は少なからずあり、警察協力医だけでは対応はできません(山崎氏)。
検案・検案書の作成は医師にしか許されていない行為であり、とくにかかりつけ医の場合には積極的な関与が期待されます。
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山形県医師会死体検案研修会2016
日時:2016年11月21日:19:00~20:00
場所:鶴岡地区医師会講堂
演題:死体検案のすすめかた 実践編
講師:山形大学医学部法医学講座 山崎 健太郎 氏
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〇検案医の役割
・警察官の検死立ち合い
・検案 そして 死体検案書作成
検案:検死の一補助行為として医師が死体を検査すること
本来、警察(協力)医や監察医の役割だが、山形県には監察医はいない
死体のかかりつけ医が立ち会うことが望ましいが・・
死体検案書は立ち会った医師が作成する
死体の調べ方を知っていた方が、まともな死体検案書を作成できる
〇検案のすすめかた
・異状死体取り扱いのシステム
都道府県ごとに異なる
法医解剖には3種類がある
司法解剖
承諾解剖(遺族の承諾が必要) ・行政解剖
新法解剖(警察解剖) 警察署長の権限で行う
・山形県における2014年度の検案数:1713件(全死亡の1/10 内解剖は10%)
病死:2/3、自殺:13% 、他殺:2%
・検案医:死亡確認した医師、現場付近の診療所医師、警察協力医など
・事件性がない場合 検案医が死体検案書を作成
原因不明・事件性の疑い →法医解剖後、解剖執刀医が死体検案書を作成
・検案の手順
1)死亡確認
2)死体の概要聴取:個人識別(氏名、年齢、職業)、死亡直前の状況、病歴、生活歴(飲酒歴、家族構成・・)、死体周囲の状況、
3)身体所見:全身、頭部・顔面、体幹、四肢、外陰部、外傷の部位
4)体腔液の採取
5)死因・死亡時刻の推定と解剖の有無の判断
6)検案書の作成
・DVD視聴
体格、黄疸、貧血、眼瞼・眼球結膜
腐敗性変化、網状変色(死後6日)、巨人様顔貌、カビの発生、ピンク歯、ミイラ、死蝋・白骨化
死体の損傷:ネズミ、鳥類、サメ、スクリュー、
身長測定
直腸温、
死体硬直(顎関節、項部、上肢左右、肩関節、ひじ関節、手関節、手指関節、股関節、膝関節、足関節、足趾関節) 寛解、発現
死斑(部位、紫斑、色調)急死:強い紫斑、失血死:弱い死斑、凍死:鮮紅色、
損傷:切創、刺創、割創、逡巡創、防御創、鈍器損傷、挫裂創、銃器損傷(射創、咬傷、電流斑(炭化+紅斑)
後頭窩穿刺、
〇死因の決定法
・内因死 か 外因子 か
外因子:特徴的な外傷、血痕、鼻腔・口腔内異物、酒臭、死斑の色調
内因子:
発見状況:
目の前で急変 →虚血性心不全、大動脈解離、大動脈瘤破裂、脳出血
すでに死亡していた:
最近まで元気 →心筋梗塞、大動脈瘤破裂、脳硬塞、基礎疾患の急性増悪
体調不良 →体調不良、寝たきり状態 →基礎疾患の増悪、褥瘡感染
腐乱状態 →基礎疾患増悪の疑い、不詳
判断には基礎疾患が重要!
私は、警察から検案依頼が来た場合、基本的に断らないことにしていますが、ここ半年依頼が来ていません。
近くの開業の先生方が対応しておられるのでしょうか。
検案で呼ばれるケースは、家族と同居している場合には、起きてこないので寝室に行ってみたら死んでいた。独居の場合には、連絡が取れないので行ってみたら死んでいた、など
の病死が多いのですが、自殺もときに経験します。自殺は縊死が多いようですが、先日割腹自殺例の検案を経験しました。また、事故では、雪に埋もれた腐乱死体や車の下敷き例
などもありました。
いずれにしろ死体検案が必要な事例は少なからずあり、警察協力医だけでは対応はできません(山崎氏)。
検案・検案書の作成は医師にしか許されていない行為であり、とくにかかりつけ医の場合には積極的な関与が期待されます。
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山形県医師会死体検案研修会2016
日時:2016年11月21日:19:00~20:00
場所:鶴岡地区医師会講堂
演題:死体検案のすすめかた 実践編
講師:山形大学医学部法医学講座 山崎 健太郎 氏
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〇検案医の役割
・警察官の検死立ち合い
・検案 そして 死体検案書作成
検案:検死の一補助行為として医師が死体を検査すること
本来、警察(協力)医や監察医の役割だが、山形県には監察医はいない
死体のかかりつけ医が立ち会うことが望ましいが・・
死体検案書は立ち会った医師が作成する
死体の調べ方を知っていた方が、まともな死体検案書を作成できる
〇検案のすすめかた
・異状死体取り扱いのシステム
都道府県ごとに異なる
法医解剖には3種類がある
司法解剖
承諾解剖(遺族の承諾が必要) ・行政解剖
新法解剖(警察解剖) 警察署長の権限で行う
・山形県における2014年度の検案数:1713件(全死亡の1/10 内解剖は10%)
病死:2/3、自殺:13% 、他殺:2%
・検案医:死亡確認した医師、現場付近の診療所医師、警察協力医など
・事件性がない場合 検案医が死体検案書を作成
原因不明・事件性の疑い →法医解剖後、解剖執刀医が死体検案書を作成
・検案の手順
1)死亡確認
2)死体の概要聴取:個人識別(氏名、年齢、職業)、死亡直前の状況、病歴、生活歴(飲酒歴、家族構成・・)、死体周囲の状況、
3)身体所見:全身、頭部・顔面、体幹、四肢、外陰部、外傷の部位
4)体腔液の採取
5)死因・死亡時刻の推定と解剖の有無の判断
6)検案書の作成
・DVD視聴
体格、黄疸、貧血、眼瞼・眼球結膜
腐敗性変化、網状変色(死後6日)、巨人様顔貌、カビの発生、ピンク歯、ミイラ、死蝋・白骨化
死体の損傷:ネズミ、鳥類、サメ、スクリュー、
身長測定
直腸温、
死体硬直(顎関節、項部、上肢左右、肩関節、ひじ関節、手関節、手指関節、股関節、膝関節、足関節、足趾関節) 寛解、発現
死斑(部位、紫斑、色調)急死:強い紫斑、失血死:弱い死斑、凍死:鮮紅色、
損傷:切創、刺創、割創、逡巡創、防御創、鈍器損傷、挫裂創、銃器損傷(射創、咬傷、電流斑(炭化+紅斑)
後頭窩穿刺、
〇死因の決定法
・内因死 か 外因子 か
外因子:特徴的な外傷、血痕、鼻腔・口腔内異物、酒臭、死斑の色調
内因子:
発見状況:
目の前で急変 →虚血性心不全、大動脈解離、大動脈瘤破裂、脳出血
すでに死亡していた:
最近まで元気 →心筋梗塞、大動脈瘤破裂、脳硬塞、基礎疾患の急性増悪
体調不良 →体調不良、寝たきり状態 →基礎疾患の増悪、褥瘡感染
腐乱状態 →基礎疾患増悪の疑い、不詳
判断には基礎疾患が重要!