鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.568 (こころの医療センター開院祝賀会)

2015-10-16 09:57:24 | 日記



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こころの医療センター開院祝賀会
日時:平成27年10月14日 18:00~
会場:東京第一ホテル 鳳凰の間
参加:来賓10名程と、こころの医療センターの医師を含む職員約60名
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こころの医療センター開院祝賀会に招待され、祝辞を述べてきました。

こころの医療センターは、3月に開院しすでに半年が過ぎていますが、順調に運
営されていると祝賀会の冒頭、神田院長からあいさつがありました。次いで鶴岡
地区医師会代表として私、酒田地区を代表して日本海総合病院の栗谷先生、最後
に旧鶴岡病院の院長で、こころの医療センターを構想した灘岡先生が祝辞を述べ
ました。さらに、到着が遅れた山形県病院事業管理者の新澤先生の挨拶があり、
荘内病院院長の三科先生の乾杯の音頭で祝宴となりました。

こころの医療センターの皆さんとは、なかなか顔を合わせる機会が少ないのです
が、医師も含めて多くの皆さんとあいさつでき、楽しい時間を過ごさせて頂きま
した。山形県の精神科医療の中核を担う病院として、今後、増々発展されること
を祈念したいと思います。

以下、祝辞の要旨です。

こころの医療センターの開院、まことにおめでとうございます。
とはいっても、3月1日の開院ですから、半年以上が経過していますが・・
ほぼ満床満状態が続き、順調に推移しているとのこと、
スタッフの皆さんは、忙しく大変でしょうが、
神田院長、はじめスタッフの皆様のご尽力に心から敬意を表するものです。

さて、精神科医療は、ここ10年、変革の時期にあります。

日本の精神科病院の病床数、在院日数は、世界と比べて、ダントツに多くて、長
いことは良く知られています。これは、日本の精神科医療が、隔離~収容型の政
策をとってきたことによるものですがが、国の施策もあり、精神科医療は、“入
院(隔離・収容)中心の医療”から、“地域社会への復帰を目指した医療”への
転換が、今後さらに強く求められるものと思われます。

もう一方の背景として、うつ病や認知症など精神疾患患者の増加と多様化によっ
て、精神病は特別な病気ではなく、誰でもかかり得る病気となり、精神科医療の
社会的役割が高まってきていることがあげられと思います。

そのような背景のなか、旧県立鶴岡病院が、こころの医療センターとして、鶴岡
市のより身近な場所に、地域に開かれた病院として、新築移転したことは、タイ
ムリーであり、意義深いことだと思います。

さて、当地区では、緩和ケア普及のための地域プロジェクト、地域連携パス、在
宅医療連携拠点事業など、介護職を含めた多職種連携に力をいれてきました。こ
れからさらに進む超高齢社会においては、医療だけではなく生活をみる視点は不
可欠であり、そのためには介護を含む多職種の協働、多角的な支援が必要になる
からです。

昨日も、地域連携パスの全体会で、脳梗塞発症後、回復期病院を退院した、認知
症も抱える患者さんが、その後、ショートステイ先で転倒骨折した事例について、
病院と地域との間での、情報共有の在り方について、リハスタッフ、看護師、連
携室、ケアマネ、医師など60名ほどが集まり、熱心に議論しました。

一方で、精神科との連携はまだ十分とはいえない現状と思います。とくに、これ
からさらに増え続ける認知症に関しては、周辺症状による精神科病院への入院を
減らすことが地域でのひとつの目標となると思います。本年度から初期集中支援
チームが動き出しますし、また、来年度からは連携パス推進協議会に認知症パス
部会の設置が決まっています。認知症については、鶴岡市とともに対策を進めて
いるところですが、こころ医療センターには、主導的な役割を期待したいと思い
ます。

以上、はなはだ楚辞ではありますが、こころの医療センターの益々の発展を祈念
して、祝辞とします。本日は、誠におめでとうございました。

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