本年度、新潟市では、400を超える施設がNet4Uを導入することになるようです。
そのような背景もあり、新潟地域病院連携会議企画のパネルディスカッションに、あじさいネットの松本先生、さどひまわりネットの佐藤先生共々パネリストとして参加し、Net4U~Note4Uの紹介をしてきました。
あじさいネット、さどひまわりネット、Net4Uは、全国にも多数ある医療情報ネットワークのなかででも数少ない成功事例として知られていますが、それぞれコンセプトは全く異なります。なぜ、継続的に活用されているのか、成功の秘訣何のかが、パネルのメインテーマだったと思います。私自身は、お二人の話を聞きながら、いろいろな要因はあるのだろうけど、結局は各地域のリーダーの誠意や熱意なのかな~と感じました。
懇親会では、松本先生の写真をシャアさせて頂きますが、素敵なレストランで、とても楽しく、美味しく、和やかな時間を共有させて頂きました。
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第4回 新潟地域病院連携会議
日時:2016年11月2日 13:30~17:30
場所:新潟医療人育成センター
テーマ:
「地域医療連携におけるICTの役割とは」
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1、開会あいさつ
新潟市でNet4Uを採用、ニックネームとして「すわんネット」?を考えている。
2、パネルディスカッション
〇質の高い地域完結型医療のための地域医療ICTネットワーク「あじさいネット」
長崎大学大学院 医師薬学総合研究科 医療情報学 准教授 松本 武浩
・フリーアクセス と GP
イギリスのGP間は、すべてITで繋がっている。
すべての医療情報は共有されており初診という概念はない。
医療費は只。
一方で、日本のようなフリーアクセスでは、診療情報が医療機関に分散保存される
あじさいネットは、分散された医療情報を一元化するめのシステム
・わが国のICTネットワークの経過
2000年 新宿区医師会のゆーねっと
2001年 経産省のモデル事業、実質上初の診療所間情報共有の診療利用 生き残りがNet4U
2004年 あじさいネット運用開始 事実上初のN:1型診療利用
2009年 あじさいネット長崎県全域展開開始 実質上の初のN:N型(広域)診療利用
2010年 地域医療再生基金で多くの情報ネットワークが立ち上がる
2014年 地域医療・介護確保基金
2013年 さどひまわりネット運用開始 事実上初の全医療機関参加型診療利用
2014年 あじさいネット在宅医療運用開始 柏プロジェクト(カナミックス)運用開始
日医総研の地域医療連携ネットワーク調査
・あじさいネットの特徴
主体は片方向の診療情報共有
拠点病院の高度で大量の情報を地域で共有
共有対象は、全診療録情報
地域医療の中で必要な情報を必要時に利用
データを保存しないクラウド型
コスト低減により会費での継続運用
2004年~病診連携への活用、
埋もれた医療リソースの有効活用:初診での利用、病名・病歴・禁忌、服用情報・検査データ、 重複検査を避け、医療費の抑制へ
生涯教育効果:紹介した患者さんの診療経過を詳細に把握! モニタリングで最新医療学習 →教育効果
診療情報提供書や退院サマリでは、不十分
逆紹介後の必要な情報を反映した維持治療
利用施設数の拡大、
診療支援、生涯教育 → 地域医療の底上げ
病院完結型 から 地域完結型へ
今後は、地域包括ケア
あじさいネットを利用しての在宅医療連携
チーム間の情報共有、チームメンバーをグループ登録
個々の携帯メール登録
患者宅訪問前に状態把握が可能
登録患者数:256名
これから~トピック
救急医療でのあじさいネット利用
搬送前トリアージ
高度専門連携医療(W主治医)
あじさいネット遠隔診断、
TVカンファレンス、研修会中継システム、ビデオ配信
検査データ共有システム
地域連携パス、へ検査データの取り組みを可能に
周産期診療
〇さどひまわりネット
新潟県厚生連佐渡総合病院院長 佐藤賢治
・さどひまわりネットの実際
画面の紹介:患者ポータル、処方一覧、検査結果、画像、コミュニケーションボード、
医療介護連携、観察患者詳細画面(バイタル、フェイスシート)
・佐渡の医療、介護の現状 と連携システムの構築
-医師不足の本質、専門医が増えた、→ 機能分担・専門特化 →機能分断
-連携システムの構築の留意点
連携の範囲、意思決定・協議体制、システム利用促進
連携とは情報共有と会話による協働
-基本データはレセコン +検査システム、画像機器システム、調剤薬局システム、電子カルテ をデータセンター(長岡)に集約 認証された端末で参照
-参照はコミュニケーション支援ツール:コミュニケーションボード、セキュアメール、地域連携クリニカルマップ、業務連携、ファイル共有
-運用体制の構築、
-参加数:住民:人口比26%、 施設:58%(75/ 128)
-オフ会(さどひまわりネット)ユーザー会
-「さどひまわりネット」の特徴
・運営主体:行政を含めた島内施設からなる協議会(NPO法人)
・同意住民:26%
・参加施設:約6割
・共有情報:レセコンデータ+自動収集できるデータ
・双方向性の実現
・コミュニケーション支援
・守秘義務に基づくセキュリティーポリシー
・医療・介護を取り巻く情勢と地域にもとめられていく姿
-地域包括ケアシステム と 地域医療構想
-地域の課題、今後求められていく方向性
-医療・介護「統合」提供体制プラン
-データの二次利用
-連携システムに求められる要件
網羅性、継続性、協働ツールとの位置づけ,二次利用、広域連携対応
-連携システムへの課題と期待
必要性の認識、導入・運用コストの解決、広域連携、国民自身による情報参照(PHR)