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宝島

2019年01月09日 | 雑感
HIRO’s ISLAND
著者:真藤順丈(しんどうじゅんじょう)  第九回山田風太郎賞受賞

新聞に読むべき一冊として紹介され、タイトルが「宝島」なので冒険小説だと思ったら、ちがっていた。
「沖縄問題」に横たわる底辺をえぐる。
沖縄は、アメリカが基地として手放さず、島民と日本政府の攻防があるし、さらには中国が触手を伸ばすなど、まさに「宝島」といえよう。

図書館に予約すると、人気であるらしく提供されるまで2ヵ月❔ほどを要したから、係から電話をもらったときは予約したことさえ失念していた。^_^;
それにしても、発刊直後の新書が図書館で読めるなんて、有難いやら、申しわけないやら少し複雑な気持ちになる。

舞台は、本土復帰前の沖縄。米軍の施設から食料や衣類、薬などを盗み出して、「戦果アギヤー」と呼ばれた若者たちの青春を活写する。
米兵による事件や米軍機墜落事故などの実話を盛り込み、住民の不満の高まりや、正面衝突へと至る「コザ暴動」へと突き進む姿を描く。

幼馴染み三人が沖縄返還までに、それぞれ警官、テロリスト、教師兼活動家となって物語りは展開する。

英雄脱出の謎が、ラストまでミステリー仕立てになっている。おすすめの1冊。
 

  ことしの第160回直木賞受賞。

    

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6 コメント

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お早うございました (延岡の山歩人K)
2019-01-09 09:14:51
自分も新聞記事で知りましたが
最近は 目の不安で 読書から遠ざかっています
iinaさまの おすすめで ますます読みたくなりましたが
ご解説だけで 満足しておきます(^^)/
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(延岡の山歩人K) さん へ (iina)
2019-01-09 09:43:29
(山歩人K)さんは、目が悪かったのですね。
                   山男だからサングラスをかける程度の色男だと思ってました。^^

きのうに江の島で友と飲んだのですが、落ち合う前に片瀬海岸を歩き、富士山をたっぷり見て参りました。



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宝島 (hide-san)
2019-01-09 17:48:54
楽しそうな一冊ですね。

だから「宝島」

ボクはスティーブンソンの宝島かと思いました。
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(hide-san) さん へ (iina)
2019-01-10 08:43:18
著者の真藤順丈が本作について、次のように語っています。

琉球警察は1972年の沖縄返還までの20年間、沖縄県警の前に実在した警察機構です。
戦果アギャーの存在を知り、プロットを組んでいくうちに、そっちがだんだん物語の核となっていったんです。

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6月23日沖縄慰霊の日 (比企の丘)
2019-06-23 08:51:51
教えていただいた、この小説をようやく読み終えました。ヘビーでディープで読み応えがありました。
「沖縄慰霊の日」の今日、感想文をブログアップしました。

リンクさせていただきました。

ありがとうございました。
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(比企の丘) さん へ (iina)
2019-06-23 09:10:41
新聞に読むべき一冊として紹介されましたから、解説を読まずに手に取りました。
タイトルが「宝島」なので冒険小説だと思ったら、沖縄問題がヘビー且ディープに活写されて読み応えがありました。

英雄脱出の謎が、ラストまでミステリー仕立てになっているのも惹きつけました。

iinaのブログにリンクをありがとうございました。

    (比企の丘)さんの当該ブログ記事のアドレスをコメント上(iina)にURLを置いています。

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