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数が殺人を正当化

2021年04月18日 | 映画
一人殺せば殺人者、百万人を殺せば英雄」は、名言なのでシェイクスピアあたりが書いたと思っていた。

先週、録画した映画を見た中で、このセリフを使ったのがチャップリンだった。
映画「チャップリンの殺人狂時代」にチャップリン演じる殺人犯が死刑判決のシーンで云い放つ。

チャップリン扮する連続殺人者が、真相が発覚し死刑台に送られるまでの顛末を描く。しかし、殺害シーンは一切ない。
トレードマークだったチョビ髭に山高帽にドタ靴、ステッキをもった放浪紳士の扮装を捨てたことも話題になったらしい。

裁判で死刑判決を受け、
「私を殺人鬼と検事は言うが、世界は大量殺人のために破壊兵器を作っているのです。その点では私はアマチュアです」と云う。
そして処刑の日、弁護士や神父、記者らに自分のしたことはビジネスだとうそぶき、
「戦争や紛争などは全てビジネスなのです。一人を殺せば悪人で、100万人を殺せば英雄です。数が殺人を神聖にする」と持論を語る。

ヒトラーを風刺した「チャップリンの独裁者」以来7年ぶりの1947年に製作した映画。無声映画ではない。
ブラックユーモアに富んだコント、殺しの狂気に染まった男をさらりと演じる。
この映画でアメリカを風刺し批評したとして、チャップリンはアメリカから追放された。
  

この題意とおなじ言葉に、次が残る。
「人を一人殺せば人殺しだが、数千人殺せば英雄である」罪と罰 / ドストエフスキー(1821-1881年)

「人間を一人殺せば殺人者だが、何百万人も殺せば征服者になれる。全滅させれば神だ。」
               ジャン・ロスタン(フランスの科学者、生物学者、作家、1894~1977年)

「一人の死は悲劇だが、百万人の死は統計である。」
           スターリン(1878-1953年) 社会主義を推進するために、自国民を大量虐殺した。

「一人を殺す者は凶漢であり、一万人を殺す者は英雄である。」(イギリスのことわざ)

 毛沢東の「過激な核戦争論
           ソ連のフルシチョフ相手に、平和的共存論を猛烈に反発して次のような過激な「核戦争論」をぶち上げた。
           核戦争で地上の半分が死んでも半分が残る。中国の人口は6億だが半分が消えてもなお3億がいる。
 


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14 コメント

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殺人と英雄 (らいちゃん)
2021-04-18 09:12:04
西洋には殺人の人数によって犯罪になったり英雄になったりする諺があるのですね。
日本ではそのような諺を聞いたことがありません。
国の成り立ち、文化の違いなのでしょうか?

>オイルショック前に社会人になって、3年で給与が倍になりました。
そのような時代もありましたね。
経済が右肩上がりの”いけいけどんどん”の良き時代でした。
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(らいちゃん) へ (iina)
2021-04-18 10:06:33
「桃イチゴ」とは、桃味のイチゴかと思いました。
『桃のような甘く芳醇な香りが隅々まで漂う(薫る)様子をイメージ」してのネーミングでしたか・・・。
ややこしいです。

最近は、店頭で「白いイチゴ」を見かけますが、食べたことがありません。

「一人殺せば殺人者、百万人を殺せば英雄」は、言い得て妙なことばです。
ドストエフスキーも「罪と罰」に似た言葉を使っていました。

 
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Unknown (よたろう)
2021-04-18 17:06:56
毛沢東がソ連のフルシチョフに、世界核戦争を持ちかけたそうです。
中国には十億いるから奥単位で残るから復興できると言います。

以来、ソ連と中国は仲違いしたとか・・・。
おなじような殺人魔な言い草です。
 
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こんばんは、 (takezii)
2021-04-18 20:47:15
多分 初めまして・・
だと思いますが、
爺さんの気まぐれブログにコメントをいただき、有難うございます。
「チャップリンの殺人狂時代」「チャップリンの独裁者」共 つい最近になって、録画したテレビ番組の映画で、改めて見ましたが、チャップリンならではの 深い・・映画ですね。
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こんばんは (延岡の山歩人K)
2021-04-18 21:27:19
 > 一人殺せば殺人者、百万人を殺せば英雄
この言葉は
薄学の自分でも 知っていました
まさしく「数が殺人を正当化」ですね
 各国に 「偉人の言葉」として、そして「ことわざ」ととして
存在していたとは \(◎o◎)/
考えることは 皆一緒ですね
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(よたろう) さん へ (iina)
2021-04-19 09:04:08
毛沢東とフルシチョフの世界核戦争の話を聞いたことがあります。
地球人口27億人の半分が滅び、帝国主義が一掃されたとき、社会主義だけが生き残ると言い放ったそうです。
WEB でも次のとおり検索出来ました。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110204/mcb1102041453040-n1.htm?&sa=U&ei=I1LoVNiCG8iSoQThwAE&ved=0CBsQFjAB&usg=AFQjCNF_7CORJvS_CeOjxjuvlTqTQIXQaw

本文でも「毛沢東の過激な核戦争論」にリンクしました。

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(takezii) さん へ (iina)
2021-04-19 09:26:01
「モダンタイムス」では、機械文明を題材に取り、労働者の尊厳が失われ、機械の歯車になっていると笑いました。

「独裁者」でヒットラーが地球をもてあそんでいると批評し、「殺人狂時代」では連合国でも無差別殺人をしていて同根だといっています。

チャップリンは、反骨の人だったのですね( ^ω^)・・・

ところで、 (takezii)さんは「最新コメント」をのこさないのでしたか。
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/02df8456468aa9db3bc6e57a63af3f67

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(延岡の山歩人K) さん へ (iina)
2021-04-19 09:44:05
ネコノメソウは、デコレーションケーキみたいです。
        飾りつけのチョコ玉と銀玉に見えます。
たしかに、ヤマネコノメソウは、イクラの軍艦巻きに見えますね。

滝壺に滑り流れる滝がすがすがしいです。


>> 一人殺せば殺人者、百万人を殺せば英雄
戦争は為政者が始めますが、机上の指揮者で無傷ですから、当人同士に刃物を持たせて闘わせればよいのです。

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映画マン さん へ (iina)
2021-04-19 10:01:36
殺人者というより、次々に職を変える結婚詐欺のようでした。

裁判にかけられて連続殺人魔と知れますが、元々は虫も殺せぬ善良な男という設定なのでした。

チャップリンはヒトラーを風刺した『独裁者』で評価され、「殺人狂時代」ではアメリカを批評した名目で赤狩りに遭いアメリカを追放されました。

* 映画マンさんのブログアドレスをコメント上に置きました。
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maco さん へ (iina)
2021-04-19 10:23:15
> チャップリンの映画の中では一番好きな作品である。
> 山高帽にステッキの、あいつである。私は奴をあまり好きではない。奴は無声映画、短編向きである。
ブラックコメディで無声映画でないのにフィットしたのでしたか( ^ω^)・・・

法廷シーンでチャップリンが真骨頂を発揮しました。
「殺人はビジネスです。しかしビジネスは組織的にやらなくちゃだめです。私なんかほんのアマチュアです。」

そして、次のセリフが入ったことで、この映画を名作に押し上げた気がします。
「一人を殺せば悪人で、100万人を殺せば英雄です。数が殺人を神聖にする」

* macoさんのブログアドレスをコメント上に置きました。
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