※柚月裕子(1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。13年「検事の本懐」で大藪春彦賞、16年「孤狼の血」で第154回直木三十五賞候補、日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。ほかに「ミカエルの鼓動」「チョウセンアサガオの咲く夏」など)
●切ない、悲しい物語
8歳の我が子と5歳の女児を殺害した遠縁の死刑囚三原響子から知らないまま身柄引受人に指名され、判決から10年後の刑の執行後に断り切れず遺骨と遺品を受け取った主人公吉沢香純。本家の墓におさめてもらうため菩提寺がある青森県相野町を単身訪れるが、そこで「約束は守ったよ、褒めて」という響子の最期の言葉の真意を探り始め、死刑囚の真実に迫っていく。
切ない、悲しい物語。母親に殺(あや)められた女の子が本当に可哀想。
地方生まれでもう還暦を過ぎているので、本家だとか同じ墓に入るだとか地元のしがらみだとかは理解できる。小さい頃、法事に行けばそんな感じだった。でも我々の世代となった今はそういう時代でもない気がするが違うのかな。そこまでこだわるものなのだろうか。終盤の謎解きの展開は面白くほぼ一気に読んだ。まあ、何となく「できすぎ感」がないでもないが好感は持てるかな。ラストシーンも心に響いた。
死刑執行シーンは目を背けるべきではないが、ちょっと辛い。
ところで娘の遺骨はどこに埋葬したんだろう。
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