チェロ弾きの哲学ノート

徒然に日々想い浮かんだ断片を書きます。

理想の食べ物

2016-06-18 08:07:49 | 選択

 多元的全体食のすすめ(十四)    食べ物研究家  五十嵐玲二 談 

 14. 理想の食べ物

 私が、美味しくて、栄養バランスが良くて、経験的に体によいと思った食べ物です。これらは基本的には、日本の伝統的なものです。夕食の時には、少々のお酒があると、料理とお酒が引き立てあいます。


 (1) メザシ

 イワシ類の小魚を塩漬けした後、目から下あごへワラを通して数匹ずつ束ね、乾燥させたもの。軽く焼いて食べれば、イワシがこれから生きるために必要なすべての栄養分が含まれています。

 行政改革を主導した、土光敏夫元経団連会長は、メザシの土光と言われるほどの好物でした。


 (2) ワカサギの空揚げ

 私は北海道なので、春先水のきれいな時期の、生きのいいきらきらした、ワカサギに小麦粉を軽るくまぶして、揚げたワカサギにレモンを軽くしぼって、岩塩をふれば、ワカサギの精気をすべていただけます。


 (3) 胚芽米(五分搗き)とむかごと銀杏と栗の炊き込みご飯

 これは秋の味覚ですが、むかごの茶色と銀杏の緑、栗の黄色、お米の白で色彩的にも、味もカラフルで、それぞれが、翌春には芽を出す力をたくわえた、食べ物で、里の秋の恵みです。


 (4) カキの酒蒸し

 グリコーゲンのほか、アミノ酸やカルシウム、亜鉛などのミネラルをはじめ、海の栄養がすべて含まれるため、「海のミルク」と呼ばれます。白ワインか日本酒が引き立ちます。

 世界中で食べられてますが、日本人は縄文時代から、食べているそうです。


 (5) ウドとホッキの酢みそ和え

 ホッキとは、正式名称ウバガイのことで、日本海北部と茨城県以北の太平洋、シベリア沿岸まで分布し、冷水域の外洋に面した浅い海の砂底に生息する。 北海道ではホッキガイ(北寄貝)と呼び、アイヌではポクセイの呼び名があります。

 ウドのうす緑とホッキガイのピンクで、野菜としては、コクのあるウドとホッキガイの甘みを酢味噌で包みます。日本酒を少し添えると引き立ちます。


 (6) シジミのみそ汁

 日本の全体食を代表するシジミのみそ汁、昔から健康に良いことは、実証済みです。医食同源そのもので、時代小説でも良く取り上げられています。


 (7) 納豆と焼きのりと胚芽米(五分搗き)

 納豆にネギ、ノリとご飯、これにみそ汁と漬物で、日本の朝食の完成です。大豆を煮て納豆菌で発酵させることによって、消化しやすく大豆全体のタンパク質がとれ、ノリは海のミネラルが得られ、ご飯の胚芽部分を残すことで、お米の本来のパワーが得られます。


 (8) かぶとオクラとニンジンの糠漬け

 糠漬け(ぬかづけ)とは、米糠を乳酸菌発酵させて作った糠床(ぬかどこ)の中に野菜を漬けこんで作る日本を代表する漬物です。旬の野菜であれば、美味しく滋養に富んだものに変える、魔法の糠床です。

 糠漬けが漬物の王者といわれるのは糠床には、 たんぱく質、脂質、繊維質、カルシウム、リン、鉄、ビタミンA(カロチン)、B1、B2な、どを豊富に含むからです。つまりお米の胚芽の部分に貴重な栄養分があるからです。


 (9) ニシン漬け

 北海道の初冬に食べるのが、ニシン漬けです。私の家では、晩秋に大根、キャベツ、身欠き鰊、麹、天然塩をメインに、鷹の爪、ショウガ、人参、コンブで三週間ほど、冷たい所で漬け込みます。そして、初冬から食べ始めます。大根は、皮むきで皮をむいてから、短冊に切ってください。

 

 (10) ホッキカレー

 カレーを肉の代りに北寄貝を入れます。ジャガイモやニンジンは通常通り入ります。北寄貝が比較的安価な時に、貝柱、ひも、水管、身(足)の下の三分の一を、細かく切って、肉の代りに処理していきます。身(足)の三分の二の部分は、大きめに切って、煮すぎて固くならないように、最後に入れます。

 ご飯は、胚芽米に十穀米を加えてます。私はカレースパイを追加した、ちょっぴり辛めがすきです。北寄貝のうま味と炒めたタマネギの甘み、ジャガイモ、ニンジンとカレースパイス、十穀米で、五穀豊穣とはこんな感じなのかもしれません。


(11) ジャガイモとワカメのみそ汁

  ジャガイモのビタミン(白)、ワカメのミネラル(緑)、味噌のアミノ酸と栄養バランスに優れています。私は、ジャガイモと大根、ジャガイモと大根菜の組み合わせも好きです。(具だくさんの方が私の好みです)


 (12) むかごと銀杏のガーリックバター炒め

 むかごと銀杏を最初にガーリックと少しのオリーブオイルで、炒めます、後半に、バターを加えて炒めます。バターの素味でいただきます。むかごは、方丈記に「或は茅花(つばな:チガヤの花芽、食用となる)をぬき、岩梨をとり、零余子(ぬかご:むかごのこと)をもり、芹をつむ」とあります。ビールのつまみにもあいます。


 (13) 鮭の飯鮓

  飯寿司とは、ご飯と魚・野菜・麹を混ぜて、重石をのせて漬け込み、乳酸発酵させて作る主に北国ならではの郷土料理です。魚は、ハタハタ、鮭、にしん、ホッケなどで、キャベツ、大根、ニンジンなどの野菜と一緒に仕込みます。

 鮭は新巻鮭で、8度以下の場所があれば、可能です。鮭をスライスするには、きれる包丁と技術を必要とします。鮭と野菜のうまみが楽しめます。雑菌が入り込まないための配慮が必要です。


 (14) 茶碗蒸し

 ユリ根、干しシイタケ、栗、銀杏、三つ葉の茶碗蒸しです。料理屋さんでは、これに、ウニかカニかエビを入れますが、カツオとコンブの出汁と卵なので、特に必要はないとおもいます。

ユリ根は良寛さまの好物です。私たちもユリ根を食べて、良寛さまにあやかりたいものです。


 (15) 牛すじ肉のポトフ

 牛すじ肉、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、キャベツ、セロリ―、ソーセージ、かぶなどを土鍋で煮込む。牛すじ肉とソーセージは、大ぶりの野菜を美味しく食べるためのものです。


 これらの料理に於いて、家族の健康のためにまもるべきこと

 (い) 甘さは、赤砂糖又は黒砂糖、又は蜂蜜を使う

 (ろ) 塩は、天然塩か、岩塩を使う

 (は) ご飯は、胚芽米か五分搗き米を食べる

 (に) パンは、全粒粉を半分程度使う

 (ほ) 酸化防止剤、防腐剤、抗菌降下剤などは、極力避ける

 (へ) 酸化した油は避ける

 (と) 旬の食材を活用する

 (ち) かつお節は、500g入りの紙袋で削り節を送ってもらう。私も自分で削りましたが、技術が必要で、最後の方ではケガをしかねませんので、専門店で機械で削った、かつお節を買う方が、お得です。(出汁は、日本料理のベースとなるものです)。

 (り) お酒は、料理をより美味しくいただくためと、考えましょう   (第14回)

 


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