安倍政権の対策に「国民を守れない首相ならすぐ辞めるべき」 党内からも批判の声
4月1日の参院決算委員会。安倍首相は気色ばんだ様子でこう答弁した。
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「感染症対策を全力でやっている。ここで私が(職を)放り投げることは毛頭考えていない」
野党議員が、本誌先週号(4月10日号)で掲載した小泉純一郎元首相のインタビューの内容を示し、認識を尋ねたことに対する反論だった。
小泉氏のインタビューの内容は、森友学園への国有地売却をめぐる公文書改ざん問題で近畿財務局職員が自殺したことについて、安倍首相の責任は「あるよ、十分に」と断言。「いずれ責任を取って辞めざるを得ない」と“最後通告”したものだ。
安倍首相は、自らを今の座に引き上げた“政治の師匠”の忠告を全否定した。
だが、安倍首相が「追い詰められている」と感じているのは、小泉氏だけではない。自民党幹部は言う。
「今、新聞もテレビも新型コロナのニュースで一色だが、本来であれば河井克行前法務大臣や河井案里参議院議員(自民党)の選挙違反事件が連日トップですよ。現職の国会議員が地方議員に現金を配ったという疑惑をかけられ、2人とも逮捕されるかもしれないという事態なんですから」
安倍首相は、日本の全世帯に布マスクを2枚配布し、新型コロナで収入が減った世帯に30万円を給付することをぶち上げた。それでも、国民の不満は消えていない。
「対策が『遅い』と批判されるなかで、2人が逮捕されたらどう防戦するか。そのタイミングで、追加の大型経済対策の発表を考えているのでは」(自民党幹部)
河井夫妻の疑惑は、自民党本部が出した計1億5千万円の選挙資金にも及んでいる。森友問題は、安倍首相の妻・昭恵夫人の関与も取り沙汰されてきた。党内ではいずれも安倍首相の関与の疑いがあるために、新型コロナ対策が遅れているのではとの疑念も広がっている。官邸関係者は言う。
「もともと安倍さんは消費増税に消極的で、8%から10%に引き上げるときは2度も延期した。それが、今では与野党の議員から国会で消費減税を迫られても、減税には言及しない。『森友問題で借りがあるから財務省に強く言えないのではないか』と思われている」
自らの疑惑で新型コロナ対策が遅れているのであれば、それが日本にとって最大の“リスク”となる。ある与党議員は、吐き捨てるように言った。
「経済対策が遅れたら、日本ではこれから自殺者が相次ぐ。国民の命を守れない首相なら、今すぐ辞めるべきだ」
(本誌取材班)
※週刊朝日 2020年4月17日号