izumishのBody & Soul

~アータマばっかりでも、カーラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ ね!~

初めての八卦掌体験は、実感っ!!の連続

2014-09-15 14:35:43 | 太極拳
夏の終わりに、北京から八卦掌の老師・劉敬儒老師が来日し講習会が開かれるというので、まったくの初体験ではあったが,参加した。


劉老師は、程派八卦掌を中心に、各派の八卦掌・六合蟷螂拳・形意拳などに深く通じ、1979年の第1回全国武術観摩大会で金賞を獲得して以来、北京八卦掌における代表的人物の一人として長く活動を続け、多くの学生を輩出し、優秀な指導者としても知られている高名な方とか(何にも知らないワタシ。。)。


聞けば、劉老師は80歳の高齢で(実際は78歳)、次の来日はないかもしれない。。中国古来の伝統拳を伝承する老師達も高齢となり、それまで”秘伝”として教えてこなかったことなども、今のうちに伝えておかないと伝わらないとの危機感を持つようになり(!?)、最近はどんどん教えてきている。この際だから、伝統の神髄を教えてくれるかもしれない。。。というのだ(?!)。


ま、それはともかく、中国の先生の指導を直に受けるのは貴重な機会。
日本人と違って、子供の頃から毎日毎日拳術や太極拳を練習してきたのだから、理屈でなくて身体を通しての知識や経験が蓄積されている。
八卦掌の経験がなくても、太極拳を学ぶ上で何か学べることがあるかもしれない、と、事前にちょこっと講習会に参加して、ほとんど一夜漬け状態で本番講習会に臨んだのでありました。。


劉老師は、話に聞くよりずっとお元気で声も張りがあって大きく、言葉もはっきりして明るく、風格のある暖かさを感じる方であった。  
最初のオリエンテーションでは1時間半くらいずっと話し通し!
”太極拳や少林拳は止まって技をかけるが、八卦掌はあるきながら攻撃する”という違いがある、とか、
(八の字を書くように歩いているのは)円の中心に敵がいると想定してのこと。
八歩で自分の周りに円を描くように、自分の腕の長さが円の半径、等々
八卦掌の「どうして?」を具体的に説明してくれた。


相手の後ろにするっと周りこんで後ろから攻撃するとか、攻撃された手を返してそのまま押し込むとか、いろいろな攻撃からのかわし方を見せてくれて、そのたびごとに、攻撃した側は顔を叩かれたり、アタマを打たれたり、背中を押されたり。。。
それをスルッ、フワッ、と、いとも軽やかに、相手が気づく間もなくやる。。。歩く推手だ。。。。
身体も大きいし高齢なのであるが、動きも歩きも軽やか、静か、無駄な動きなし、柔らかい。。。


基本練習は、円の中心を向いて円周を歩きながらいろいろな掌の型を繰り返すのだが、これをやっていると「腰はどこ?」がハッキリと認識できるのだった。
意識と掌は円の中心に向けているから、否応なしに、腰をよく使う。
足は円周、手は中心。。だから、腰を絞るようにしないと中心に向かない。
腰の纏糸だね。
腕も、形によってはすごく纏糸をかけている。。。これって、陳式と同じだ(何故か嬉しい)!


ワタシの掌をご自身のお腹に当てて、手のひらの丸み具合(=手型)を確認させてくれたり(大きく大きく膨らんだお腹でアラレマシタ!)、
背中に手を当てさせて、背中が膨らんで肩胛骨がなくなる状態を感じさせてくれたり(これが含胸抜背か~!!)。。。
劉老師の身体は大きくて柔らかくて”膨らみ”があって、日頃、ワタシの師匠である三代一美先生が言われる通り、これぞ正に「緩むと膨らむのよ」を実感。
柔らかい中に張りのある、ボールのような身体なのであった。
(気が漲っている感じ、とでも言うか。。。陳正雷老師が言う”先天の気を養う”とこうなるのか!)。


これだけでも講習会に参加した意味があったよ。


八卦掌も太極拳も「言葉がついたからそうなった(つまりは八卦や太極とは関係ない)」という、なんか、聖書の言葉のようなお話もあって、いや~、中国の老師というのはさすがに深いなぁ~!と認識を深めた一日でありました。

 


コメント
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