izumishのBody & Soul

~アータマばっかりでも、カーラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ ね!~

呉式は先に手、陳式は先に身体

2011-06-12 13:45:41 | 太極拳
5月に参加した「陸 瑶老師の呉式太極拳入門」。
基本の歩法練習など、あらためて得ることが多かったのだが、今もなお今も心に刻まれ、ますます意味が深くなってきている言葉がある。
「似手帯身、似身帯手(イーショウ ダイ シェン、イー シェン ダイ ショウ)」だ。
呉式は手が先導して身体を連れてくる、これに対して、陳式は先に身体が変化して手が後から来る、のだという。
これには本当に目からウロコ!


これまで長いこと陳式を練習してきて、いつも「根節を緩める」(つまりは、肩の付け根、あるいは脚の付け根から順に緩める)ことを考えてきた。
初めての呉式で、陸先生(ご存知の通り、まだ30代の元気な女性である)は「踏み出した脚の、足首ー膝ー股関節の順に緩める(『体重は後ろー!』と何回も叫んでたな)」ことを徹底して練習させたのであった。
すると自然に身体は前傾(というか斜中正)になる(!)。”傾いてるのが呉式”と思ってたが、実は、自然にそうなるのであった!
”やる”のと”なる”の、違いは大きい!
例えば「野馬分鬃」という動作では、上記の要領で、踏み出した脚にすぐには体重を乗せず、足首から順番に関節の力を抜いていきながら手を分けていくと、”手が先導して身体を連れて行く”というのが実感として分かる。
意識して運んでいくと、最後の定型では、後ろ足がしっかり伸びて足裏が地面を踏んでいる。
さらに、腰から下と、上が、反対方向に螺旋で下と上に分かれていく状態が、作ろうとせずに身体の中に生じてくるのであった!
後ろ足の裏から腰を通って、指先にまで計が伝わっていく。
龍になった気分だよ~ん!!


そして、1986年、初めての訪中で王西安老師に習ったとき、王先生がしきりに「後ろ脚を伸ばして!」と言ってたことが、この呉式の歩法と同じことだったのだと、今にして「明白了!」できたのである。
王先生は、腰を柔らかく、オヘソを完全に行く方の脚に向けて股関節と大腿部がくっつかんばかりに低くやらせたのだったが(そして、最後に胸を反対方向に開くのだが)、今回の陸先生の呉式もまったく同じその方法(足の不踏み出しとか、微妙に違うところあるけど)。う~~ん!納得!!これだったのか~!!であった。


太極拳の指南書(?)でもある「太極拳理論の要諦」は呉式太極拳に基づいて書かれていると聞いたけど、陳式と呉式は、似ているところも違うところもある。でも根っこは同じ。
言葉に惑わされず、とらわれず、身体を通して何度もいろいろやってみると、言葉の本当の意味が分かってくる。
多くの中国の老師に習ったが、言葉の壁はやっぱり大きい。太極拳をやっていない通訳を通してでは、教える方も習う方も、もどかしいし、誤解も生じやすい。
そういうこともふまえた上で、身体で覚える、身体を通して考える、ことが大切だ。


そんなこんなで、今は、また初心に戻って練習を見直している。
何度やっても飽きることはないし、慣れることもない。
ますます深く、面白くなってくる太極拳。好きだな~、太極拳。なのであった。

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