このところ、立て続けに読んだ本2冊は強烈な内容だった。
一つは、池上彰 佐藤優による「新・戦争論~僕らのインテリジェンスの磨き方」(文春新書)。
今、もっとも日本にとって必要な世界から見た日本を冷静に分析できる2人による、現在の世界情勢とそれが生まれた歴史的・地理的背景を多角的に解析していて、いろいろなモヤモヤが整理できる。
以前、映画「僕の大事なコレクション」を観た時に、舞台となるウクライナと、そこからアメリカに移住したユダヤ人の老人(映画の主人公であるイライジャ・ウッドのおじいさん)の記憶が、よく理解できなかったのだが、それがこの本を読んで納得(今頃だよ!)。
土地の歴史と宗教、民族を知らないことには、何も理解できないんだ、ってことがよっく分かりました。
今目の前の「イスラム国」のことはもちろん、中国、韓国、それにアメリカ・・・それぞれの国はそれぞれに民族と宗教問題を抱えている。。。。
戦争の20世紀が終わって、21世紀は、共存平和の時代になるかと思っていたが、なんだか元に戻ってる、もっと悪くなる、ように思える。
もう一冊は、堤 未香の「沈みゆく大国 アメリカ」(集英社文庫)。
こちらは、アメリカの医療保険制度「オバマケア」によって進行するアメリカの医療崩壊の現状を取材したもので、アメリカ型市場主義導入に寒気がしてくる実体が丹念に描かれている。
序章にある「一%の超・富裕層」たちの新たなゲーム」に続く本文は、オバマケアによって、「ついに無保険者が保険に入れた!」と喜んだのもつかの間、・がん治療薬は自己負担、安楽死薬なら保険適用 ・自己破産理由のトップは「医療費」・・・
果ては、労働組合が消滅し、アメリカから医師が消える(!)と、数字と事実を時系列に追いながら、その先に来るものを凝視する。
医療(教育も)が崩壊しても、膨大な収益をあげるのが、株主、投資家、ウォール街の金融機関(つまりは1%の富裕層だ)。。。
これって、まさにリーマンショックと同じだ!
恐ろしいのは、このアメリカの市場主義が次に狙うのが日本の保険制度だとの指摘。
アメリカべったりの政府を選んだ国民にとって、これからはしっかりと目を開いて、視野を広げて、異なる価値観を知る努力をしなくてはならない。
ノホホンとアナタ任せ、では通用しない時代になったのだ。。
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