またまた間が空いてしまいましたが
古事記シリーズです。
前回からの続きになります。
良ければ「その1」から読んで頂けたらまた話しが繋がります。
裏切り者
前回、血の付いた矢が飛んで来て高天原つまり天上界は大騒ぎでしたね。
それで飛んで来た矢をよく見ると天若日子(あめのわかひこ)に持たせた矢でした。
これは天上界ではよく解りません。
天若日子が邪悪な者と戦って、偶然飛んで来たかもしれない。
天若日子自身が邪心を起こして天上界に飛ばしたのかもしれない。
善だか悪だかよく解りません。
そこで誓約(うけい)を行います。
誓約
誓約
これは「うけい」と読みます。
以前にもこのシリーズで話しましたね。
誓約とは占いの一種です。
しかしただの占いではありません。
ある種、偶然を求め神勅を頂きます。
例えば、神社へ行きますね、初詣とか。
その時にお賽銭を投げてですね、皆さんどうします?
「家内安全」とか「合格祈願」とかお願い事をしますよね?
「今年は昇進できますように」とか。
まぁ、それはそれで構わないんですけど。
しかし本来は違うんですよ!
本来はお願い事をするのではありません。
誓約をするのです。
誓約とは神々との約束です。
先ずは神社に行ったら禊ぎをします。
それは水ですね。
神社に行ったら水場がありますね?
あれは禊ぎをする為ですよ。
そしてお参りしますが、この時にお願いをするのではなく誓いを立てるのです。
「必ず合格してみせます」とかですね。
そして立てた誓いが正しいのか?を神々に尋ねるのです。
それが太占(ふとまい)とか昔からあるんです。
神々は偶然を重ねて我々に色々とアドバイスをしてくれるのですね。
あのカラスが飛び立てば、誓いは正しい!
とか、そんな感じです。
神々との約束。
それが誓約ですね。
矢を投げ返す
それで誓約をします。
高御産巣日神は血の付いた矢を取って、矢が飛んで来た方向に投げ返します。
「もし、天若日子に邪心があるなら、この矢に当たって死ぬ!違うなら当たらない!」
それで天若日子はどうやら寝てたらしいです。
グア~!グ~スカ~!みたいな感じですか。
とにかく寝ていた天若日子に矢が!
ブスッと!
天若日子に刺さってしまいます。
当然、外傷を負うと神も死ぬ!の法則通り死んでしまいます。
ところが天上界は結果が解りません。
天上界では見えてないんですね。
だから、偵察を飛ばしたりしとる訳です。
誓約により矢を投げ返してはみたものの…
とにかくそれは怒る
誓約によって天若日子は死にました。
天上界は結果を知りません。
しかし、ある事があって天上界は天若日子が死んでしまった様だと知るのです。
天若日子の妻、下照比売(したでるひめ)の泣き声が聞こえて来たからです。
下照比売は大国主神の娘ですね。
それで天上界は「どうやら天若日子は死んだ様だ!」と知るのです。
下照比売は何故、夫が?と思いますね。
「うわ~ん!天若日子様~!なんで死んだんですか~!」て、感じでしょうね。
それで天上界からは様々な役割を持たされた、雁や鷺、翡翠に雀が葬式を手伝う為に天若日子の両親と共に地上世界にやって来ます。
全部鳥のお遣いですね。
八日八夜に渡って歌舞が行われました。
そこに大国主神の息子阿遅志貴高日子根神(あじしきたかひこねのかみ)が弔いに来ます。
つまり下照比売のお兄さん。
天若日子の義理の兄でもある訳です。
どうも此の方が天若日子そっくりだったらしいです。
天上界から来た両親は「えーっ!生きてたの?」とビックリしてしまいます。
そしたら阿遅志貴高日子根神はブチ切れます。
自分は弔いに来たのに死人に間違われてブチ切れてしまうのです。
「誰が死人やねん!アホか!」
どんぐらい切れたかと言うとですね。
喪屋を十握剣でたたっ斬って、崩れた喪屋を蹴り飛ばす!
出雲で蹴り飛ばした喪屋が岐阜あたりまで飛んで行きました。
こりゃ相当怒ってますよ!
これも穢れ
地上世界の神様でも神様は神様です。
たいへん穢れを嫌います。
死人に間違われることも穢れの一種なんですね。
それで、死人に間違われた=穢れ。
これは相当怒ってしまいます。
我々もそうでしょう?
例えばバス停でバスを待っている時に隣にいた人に「あぁ、あなた死んだウチの息子にそっくりだよ…」とか言われたら「あぁ、そうでしたか…」なんて大人の対応をしますけど、なんかあんまりパッとしない気分でしょ?
「死んだお父っつぁんにそっくりだ」とか言われて「あぁお父っつぁん!」なんて、どうしたらよいやら。
これ、ある種の穢れな訳であまり良い気分ではない。
葬式の帰りに塩貰いますよね。
それで家に入るまえに肩なんかにパッパッと降って清めますね。
本来は伊邪那岐、伊邪那美でも話しましたが禊ぎをした方が良いんです。
伊邪那岐は黄泉の国で死人である伊邪那美に会って、ドエライ事になり穢れた!と禊ぎをしたら三柱の神が出てきました。
塩を振るのも穢れを落とす儀式みたいなもんです。
これが日本人の伝統的な考え方なんですね。
ですから死人に間違われるなんてのも穢れなんですね。
天上界の皆んなは天若日子が生き返ったと思ったらブチ切れて名前も名乗らず帰ってしまった。
何がなんだかさっぱり解りません。
そこで下照比売は「あの方は死人じゃありません。阿遅志貴高日子根神というのです」と。
それを伝える為に和歌を詠んだのです。
ここにも日本最古のミュージカルが!
次回へ続く…
古事記シリーズです。
前回からの続きになります。
良ければ「その1」から読んで頂けたらまた話しが繋がります。
裏切り者
前回、血の付いた矢が飛んで来て高天原つまり天上界は大騒ぎでしたね。
それで飛んで来た矢をよく見ると天若日子(あめのわかひこ)に持たせた矢でした。
これは天上界ではよく解りません。
天若日子が邪悪な者と戦って、偶然飛んで来たかもしれない。
天若日子自身が邪心を起こして天上界に飛ばしたのかもしれない。
善だか悪だかよく解りません。
そこで誓約(うけい)を行います。
誓約
誓約
これは「うけい」と読みます。
以前にもこのシリーズで話しましたね。
誓約とは占いの一種です。
しかしただの占いではありません。
ある種、偶然を求め神勅を頂きます。
例えば、神社へ行きますね、初詣とか。
その時にお賽銭を投げてですね、皆さんどうします?
「家内安全」とか「合格祈願」とかお願い事をしますよね?
「今年は昇進できますように」とか。
まぁ、それはそれで構わないんですけど。
しかし本来は違うんですよ!
本来はお願い事をするのではありません。
誓約をするのです。
誓約とは神々との約束です。
先ずは神社に行ったら禊ぎをします。
それは水ですね。
神社に行ったら水場がありますね?
あれは禊ぎをする為ですよ。
そしてお参りしますが、この時にお願いをするのではなく誓いを立てるのです。
「必ず合格してみせます」とかですね。
そして立てた誓いが正しいのか?を神々に尋ねるのです。
それが太占(ふとまい)とか昔からあるんです。
神々は偶然を重ねて我々に色々とアドバイスをしてくれるのですね。
あのカラスが飛び立てば、誓いは正しい!
とか、そんな感じです。
神々との約束。
それが誓約ですね。
矢を投げ返す
それで誓約をします。
高御産巣日神は血の付いた矢を取って、矢が飛んで来た方向に投げ返します。
「もし、天若日子に邪心があるなら、この矢に当たって死ぬ!違うなら当たらない!」
それで天若日子はどうやら寝てたらしいです。
グア~!グ~スカ~!みたいな感じですか。
とにかく寝ていた天若日子に矢が!
ブスッと!
天若日子に刺さってしまいます。
当然、外傷を負うと神も死ぬ!の法則通り死んでしまいます。
ところが天上界は結果が解りません。
天上界では見えてないんですね。
だから、偵察を飛ばしたりしとる訳です。
誓約により矢を投げ返してはみたものの…
とにかくそれは怒る
誓約によって天若日子は死にました。
天上界は結果を知りません。
しかし、ある事があって天上界は天若日子が死んでしまった様だと知るのです。
天若日子の妻、下照比売(したでるひめ)の泣き声が聞こえて来たからです。
下照比売は大国主神の娘ですね。
それで天上界は「どうやら天若日子は死んだ様だ!」と知るのです。
下照比売は何故、夫が?と思いますね。
「うわ~ん!天若日子様~!なんで死んだんですか~!」て、感じでしょうね。
それで天上界からは様々な役割を持たされた、雁や鷺、翡翠に雀が葬式を手伝う為に天若日子の両親と共に地上世界にやって来ます。
全部鳥のお遣いですね。
八日八夜に渡って歌舞が行われました。
そこに大国主神の息子阿遅志貴高日子根神(あじしきたかひこねのかみ)が弔いに来ます。
つまり下照比売のお兄さん。
天若日子の義理の兄でもある訳です。
どうも此の方が天若日子そっくりだったらしいです。
天上界から来た両親は「えーっ!生きてたの?」とビックリしてしまいます。
そしたら阿遅志貴高日子根神はブチ切れます。
自分は弔いに来たのに死人に間違われてブチ切れてしまうのです。
「誰が死人やねん!アホか!」
どんぐらい切れたかと言うとですね。
喪屋を十握剣でたたっ斬って、崩れた喪屋を蹴り飛ばす!
出雲で蹴り飛ばした喪屋が岐阜あたりまで飛んで行きました。
こりゃ相当怒ってますよ!
これも穢れ
地上世界の神様でも神様は神様です。
たいへん穢れを嫌います。
死人に間違われることも穢れの一種なんですね。
それで、死人に間違われた=穢れ。
これは相当怒ってしまいます。
我々もそうでしょう?
例えばバス停でバスを待っている時に隣にいた人に「あぁ、あなた死んだウチの息子にそっくりだよ…」とか言われたら「あぁ、そうでしたか…」なんて大人の対応をしますけど、なんかあんまりパッとしない気分でしょ?
「死んだお父っつぁんにそっくりだ」とか言われて「あぁお父っつぁん!」なんて、どうしたらよいやら。
これ、ある種の穢れな訳であまり良い気分ではない。
葬式の帰りに塩貰いますよね。
それで家に入るまえに肩なんかにパッパッと降って清めますね。
本来は伊邪那岐、伊邪那美でも話しましたが禊ぎをした方が良いんです。
伊邪那岐は黄泉の国で死人である伊邪那美に会って、ドエライ事になり穢れた!と禊ぎをしたら三柱の神が出てきました。
塩を振るのも穢れを落とす儀式みたいなもんです。
これが日本人の伝統的な考え方なんですね。
ですから死人に間違われるなんてのも穢れなんですね。
天上界の皆んなは天若日子が生き返ったと思ったらブチ切れて名前も名乗らず帰ってしまった。
何がなんだかさっぱり解りません。
そこで下照比売は「あの方は死人じゃありません。阿遅志貴高日子根神というのです」と。
それを伝える為に和歌を詠んだのです。
ここにも日本最古のミュージカルが!
次回へ続く…