讃岐うどんやラーメン食べ歩きと、旅のブログ

讃岐うどんの食べ歩きが好きです。また国内・海外問わず旅が好きなので、ぼちぼち書いていこうと思います。

夏の怪談2 「金縛り」

2013-08-02 20:00:00 | 日記
 自分が体験したホンとの話である。信じるも信じないも、あなた次第である。


 金縛りは、だれでも一度は経験したことがあるだろう。脳が半分起きている状態だけど、体がうまく反応できないので「金縛り」と勘違いするという説もある。単に夢を見ていただけ、という人もいる。霊が取り憑いていたと言う人もいる。実際はどうだか分からないが。


 その家に引っ越したのは高校生の時だった。千葉市の郊外にあるその団地は、山を切り開いて造成した巨大団地である。団地といっても、一軒家が多いのであるが。かつては千葉駅まで出るのに、バスで一時間以上かかるので「陸の孤島」と呼ばれていた。唯一の公共交通機関である、○○バスがストをすると、どこにもいけなくなるという大惨事になった。

 住んでいたのは、団地の一角に立っている戸建ての新築住宅だった。すぐ裏は造成されることもなく、何年もそのままになっていた。引っ越した当時は、リスやヘビやカエルや、正体不明の四つ足動物がいたりした。(イタチっぽかったが、敏しょうな動きのため、何者か確認できなかった)また、野犬も闊歩していたような時代である。


 何事も無く、1年ほど過ぎたある日の深夜である。自分の部屋は二階にあった。


 深夜2時に目が覚めた。いゃ、確かに覚めたと思ったのである。


 階段を誰かが上ってきた。あれ、こんな時間に親が何の用事だろう?



 ドアの外で動きが止まった。何者かがいる気配を感じる。びりびり感じるのである。


 あれ、おかしい!!と思った瞬間、何かが部屋に入ってきた。ドアは開いていない。





 背中に爪を立てられた。なにかの動物の気配を感じる。




 体が動かない。



 意識はある。絶対に起きているという感覚はある。背中が痛いという感覚もある。



 ほんの数秒だったかもしれないが、数分に感じた。ある瞬間、ふっと気配が消えた。

 飛び起きて明かりをつけたが、何も無かった。誰もいなかった。


これが金縛りかぁ、初体験じゃ。

 それから一週間ほどは、深夜にふと目が覚めた。時計を見ると、決まって深夜の2時ちょうどだった。


 新興団地もだんだんと人が増え、開発されていった。それにつれて野生動物も姿を消してしまった。あれは何者だったか、今もわからない。あれ程怖い思いをしたのは、その一回限りだった。
コメント
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