もう10年以上も前のことである。仕事で○津江村に行った。今は日田市に合併されている。
自然が多く、普段あまり人も訪れないような山に入って行った。その山は道路が通っており、舗装されガードレールもあった。天気も良く、何事も起こるような気配は無かった。同行者は、たしか一人いたように思う。
とあるカーブで車を停めて、歩き出した。もう一人は、自分より少し離れて歩いていた。こんな山奥に来るような人は誰もいなかった。道路は比較的立派だけど、通る車は無かったのである。
左側にガードレールがあり、道を歩いて上って行った。つまり右側は、何も無い空間である。
ふっと、右側の空気が動いた気がした。誰もいないので、気のせいかと思ったが、同時に右手の指に少し痛みが走った。
N村「いたっ」
ふと見ると、右手の人差し指が切れて血がにじんでいる。
口で血を吸い出した。特に傷口は汚れていなかったので、そのままでも大丈夫かなと思った。よく見ると紙で切ったような、鋭い傷口だった。
藪の中だったら、葉っぱなどで切ったことも考えられるが、全く何も無い空間で傷を負ったのである。
天気は相変わらず良く、風もない。
もう一人の同行者には、何も無かったようだ。言っても信じて貰えそうもなかったので、黙っていた。
自然が多く、普段あまり人も訪れないような山に入って行った。その山は道路が通っており、舗装されガードレールもあった。天気も良く、何事も起こるような気配は無かった。同行者は、たしか一人いたように思う。
とあるカーブで車を停めて、歩き出した。もう一人は、自分より少し離れて歩いていた。こんな山奥に来るような人は誰もいなかった。道路は比較的立派だけど、通る車は無かったのである。
左側にガードレールがあり、道を歩いて上って行った。つまり右側は、何も無い空間である。
ふっと、右側の空気が動いた気がした。誰もいないので、気のせいかと思ったが、同時に右手の指に少し痛みが走った。
N村「いたっ」
ふと見ると、右手の人差し指が切れて血がにじんでいる。
口で血を吸い出した。特に傷口は汚れていなかったので、そのままでも大丈夫かなと思った。よく見ると紙で切ったような、鋭い傷口だった。
藪の中だったら、葉っぱなどで切ったことも考えられるが、全く何も無い空間で傷を負ったのである。
天気は相変わらず良く、風もない。
もう一人の同行者には、何も無かったようだ。言っても信じて貰えそうもなかったので、黙っていた。