讃岐うどんやラーメン食べ歩きと、旅のブログ

讃岐うどんの食べ歩きが好きです。また国内・海外問わず旅が好きなので、ぼちぼち書いていこうと思います。

夏の怪談11 「墜落」

2013-08-11 20:00:00 | 日記
 N市の出来事である。昼ぐらいに、N県警から電話があった。N市北部にある建物の敷地に、人が倒れているとの通報があったそうだ。無人の建物だったので、フェンスは通常施錠されていた。そのため現地の協力会社に頼んで鍵を持って行って貰った。

 建物の上から飛び降りたらしく、死後一週間くらいたっていたそうだ。夏なので腐敗が進んでいた。そこは、ちょうど建物の影になっていて、通常見えないのだが裏側が段差になっていて、たまたま通りかかった人が上から発見したということだ。遺書があったので、自殺と分かった。おっちゃんだったらしい。

 午後から高速で現地に向かった。すでに全部片付けられており、誰もいなかったが、血痕と臭いが残っていた。フェンスは破壊されていなかったので、よじ登ったのだろう。死臭が強烈だった。マスクを持ってこなかったことを後悔した。

 よく調べると、施設の一部が曲がっていた。落ちたとき、ここに当たったのだろう。血痕も、そこを中心にこびりついていた。

 1ヶ月後、清掃と修理を終えて元通りになったが、ここは「お祓い」だろうということになって、現地の神主さんにお願いした。その神主さんは、当然初めてその場所を訪れた。当日のことである。

N村「あ、すいません。お手数をかけます」

 と、言ったら、敷地内をゆっくりと歩き始めた。

N村「あの、なにか?」
かん「いや、ちょっと」

 ある地点でとまった。

かん「ここですか?」
N村「あ、そうですが」

 そこは、墜落死していた場所だった。もちろん、跡も臭いも何もない。

N村「いますか?」
かん「いますね」

 なにがじゃ?

N村「じゃあ、念入りにお願いします」
かん「はい」

 お祓いして貰った。

N村「どんな、案配で?」
おん「大丈夫です」

 なにがじゃ?

 お札を貰って建物の中に祭った。

 決して剥がしてはならぬ、お守りである。

 その甲斐もあり、夜中でも見たという話は聞かない。

 なにがじゃ?
コメント
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