取引先のN社の人から聞いた話である。
福岡で怪しいところといえば、犬鳴周辺である。いろいろな都市伝説があり、霊が集まるところとも言われている。福岡から直方へ向かうルートであり、今は新犬鳴トンネルで一気に直方へ抜けることができる。旧道入り口にはゲートがあり、また旧道にある古いトンネルも閉鎖され、通行が出来ないようになっている。無理矢理入ってはいけないのである。
今回は、犬鳴の話ではないが、近くに猫峠というのがある。その日、N社のF原と、社員Bは二人で猫峠方面に向かった。猫峠が目的ではなく、その先の宮若へ向かう途中だったという。何故山越えのルートを選んだのかは聞かなかった。ちなみに、F原は日田出身で武闘派としても知られており、学生時代から空手をやっていたと言っていた。敵に回すとイヤだが、身内だとけっこう面白い話も聞くことができる。
F原「ある日、猫峠を通ったときの話なんだけどね」
N村「そりゃ、変なところ通って行きましたね」
F原「まぁ、通行量も少ないんだけど、山道に入って近道しようとしたんだよ」
N村「普通、山には入りませんな」
F原「あの辺は、少し土地勘があるからな」
メイン道路から外れて、未舗装の山道に入った。この道は一本道なので道に迷うことはない。だいたい出る所も分かっている。天気も良い昼間なので、遭難することもないだろう。しばらく山道を走っていたら、社があった。その時、社員Bが言うのである。
社B「あれ、誰かいる」
F原「あっ、ほんとだ地元の子供じゃないの」
そこには、緑の服を着て、半ズボン姿の小学生くらいの子供がいた。
社B「今日は、学校休みなのかね~」
F原「そういえば、平日の昼だよね」
たわいのない話をしながら、山道を抜けた。
後日、何か引っかかるものがあって、航空地図を見た。N社は、仕事柄全九州の航空写真を持っている。
F原「おぃ、この前行った猫峠の航空写真がこれだ」
社B「この道ですよ、通ったのは」
航空写真には、確かに山道が写っていた。
F原「社があったろう」
社B「あ~、子供がいたところでしょう」
F原「見ろ、社が写っていない」
どうしても気になって、次に宮若方面に行くときも、同じコースを通ることにした。
F原「この道だよな」
社B「間違いないですよ」
しばらく走っていたら、出口に出た。
F原「社あったか?」
社B「いゃ、気がつきませんでしたね。見落としているんですよ」
F原「戻るぞ」
山道に入ったところに出た。
F原「おぃ、この前見た社はどこだ」
社B「無かった・・・」
さらにゆっくり、注意深く走った。
F原「たしか、このカーブあたりだったはず。降りて調べよう」
社B「ですね」
歩き回っていたら、古い墓石を見つけた。それは道ばたにひっそりとあった。
F原「ここって、あの子供が立っていた場所じゃないか」
社B「・・・です」
それ以来、この道は通っていないそうだ。
福岡で怪しいところといえば、犬鳴周辺である。いろいろな都市伝説があり、霊が集まるところとも言われている。福岡から直方へ向かうルートであり、今は新犬鳴トンネルで一気に直方へ抜けることができる。旧道入り口にはゲートがあり、また旧道にある古いトンネルも閉鎖され、通行が出来ないようになっている。無理矢理入ってはいけないのである。
今回は、犬鳴の話ではないが、近くに猫峠というのがある。その日、N社のF原と、社員Bは二人で猫峠方面に向かった。猫峠が目的ではなく、その先の宮若へ向かう途中だったという。何故山越えのルートを選んだのかは聞かなかった。ちなみに、F原は日田出身で武闘派としても知られており、学生時代から空手をやっていたと言っていた。敵に回すとイヤだが、身内だとけっこう面白い話も聞くことができる。
F原「ある日、猫峠を通ったときの話なんだけどね」
N村「そりゃ、変なところ通って行きましたね」
F原「まぁ、通行量も少ないんだけど、山道に入って近道しようとしたんだよ」
N村「普通、山には入りませんな」
F原「あの辺は、少し土地勘があるからな」
メイン道路から外れて、未舗装の山道に入った。この道は一本道なので道に迷うことはない。だいたい出る所も分かっている。天気も良い昼間なので、遭難することもないだろう。しばらく山道を走っていたら、社があった。その時、社員Bが言うのである。
社B「あれ、誰かいる」
F原「あっ、ほんとだ地元の子供じゃないの」
そこには、緑の服を着て、半ズボン姿の小学生くらいの子供がいた。
社B「今日は、学校休みなのかね~」
F原「そういえば、平日の昼だよね」
たわいのない話をしながら、山道を抜けた。
後日、何か引っかかるものがあって、航空地図を見た。N社は、仕事柄全九州の航空写真を持っている。
F原「おぃ、この前行った猫峠の航空写真がこれだ」
社B「この道ですよ、通ったのは」
航空写真には、確かに山道が写っていた。
F原「社があったろう」
社B「あ~、子供がいたところでしょう」
F原「見ろ、社が写っていない」
どうしても気になって、次に宮若方面に行くときも、同じコースを通ることにした。
F原「この道だよな」
社B「間違いないですよ」
しばらく走っていたら、出口に出た。
F原「社あったか?」
社B「いゃ、気がつきませんでしたね。見落としているんですよ」
F原「戻るぞ」
山道に入ったところに出た。
F原「おぃ、この前見た社はどこだ」
社B「無かった・・・」
さらにゆっくり、注意深く走った。
F原「たしか、このカーブあたりだったはず。降りて調べよう」
社B「ですね」
歩き回っていたら、古い墓石を見つけた。それは道ばたにひっそりとあった。
F原「ここって、あの子供が立っていた場所じゃないか」
社B「・・・です」
それ以来、この道は通っていないそうだ。